4月6日、取材班が向かったのは美しい山々が広がる山梨県北杜市にある清里高原。

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多くの観光客が訪れる春の行楽シーズンを前に、地元の宿泊施設から聞こえてきたのは“期待の声”ではなくこんな“悲鳴”だった。

「シーツがない、そこが困っている。死活問題ですね…一番繁忙期なので」

ホテルやペンションでベッドの「シーツが足りない」という異常事態が発生していたのだ。

一体、何が起きているのか?

地元リネン業者が新型コロナの影響で…

長年、ホテルなどにシーツを貸し出していた地元のリネン業者が、新型コロナの影響で売り上げが激減。

さらに燃料費の高騰が拍車をかけ、先月、自己破産を申請した。

これにより200カ所以上の宿泊施設へのシーツの供給がストップ。まともに営業ができなくなった施設が宿泊予約を断る事態に――。

市内の宿泊施設では、前代未聞のシーツ不足の対応に追われていた。

取材したゲストハウスの一つでは、すでにシーツが4枚しか残っていなかった。

ゲストハウスリーフ 藤原早織代表:
1ベッドに2枚必要なので一部屋分です。これだけです。

シーツの残りはわずか4枚…
シーツの残りはわずか4枚…

約1カ月後に迫ったゴールデンウィークは、10部屋ある客室を半分に減らして予約を受けつけることにした。

満室となった場合、一晩で売り上げが10万円減少することに…。

ゲストハウスリーフ 藤原早織代表:
GWが回せるか微妙でめどがついていないので最悪の場合、自分たちで洗濯するのか、まだ決まっていない

隣の長野県からシーツを取り寄せても「かなり厳しい」

満点の星空が望める露天風呂が人気のこちらのゲストハウスでは、隣の長野県の業者から急遽シーツを取り寄せていた。

満点の星空が望める露天風呂が人気のこちらのゲストハウスでは…
満点の星空が望める露天風呂が人気のこちらのゲストハウスでは…

しかし、残りはあと40枚。

ゴールデンウィークまで持つのか不安の声を上げている。

ゲストハウス カーリーヴィレッジ 神野義徳オーナー:
ゴールデンウィークをどう乗り越えるのが今からの課題。かなり厳しいと思います。やめる人も出て来る可能性もあります。

こうした状況を受け、市内にあるNPO法人は5日、別のリネン業者から確保したシーツ500枚を宿泊業者に配布した。

しかしシーツの枚数が足りず、全員には行き届かなかった
しかしシーツの枚数が足りず、全員には行き届かなかった

しかしシーツの枚数が足りず、全員には行き届かなかった。

NPO法人清里観光振興会 船木良会長:
“配給”に近いような形で対応して、最低限は確保しようと動いています。

北杜市ではリネン業者が少なくシーツの確保が難航していて、いまだ抜本的な解決策は見つかっていない。

(「イット!」4月6日放送より)