北朝鮮による拉致被害者・横田めぐみさん。拉致されたときに制服を着ていたことから、中学校の前で撮られた写真が公開捜査に使用された。背景にある桜は、46年という時の長さを静かに訴えている。
公開捜査に使われた1枚の写真
めぐみさんの母・横田早紀江さん（2020年）：
あれは本当にきれいな桜だった。寄居中学校の桜。今はもうなくなっちゃったんですって、切って。枯れて時間が経っているからね
松村道子キャスター：
公開捜査に使用され、のちに多くの人に知られることとなる写真は、寄居中学校の玄関前で撮影されました
1977年4月5日、中学生になったばかりの横田めぐみさんの写真。
風疹にかかり、入学式に出席できなかっためぐみさんを後日、父・滋さんが連れ出して撮影したものだ。
写真背景の桜 46年経った今は…
春爛漫を感じさせる背景の桜は、いま…
再会を誓う同級生の会 池田正樹 代表：
朽ちた桜もある。それだけつらい年月が経ってしまったということ
めぐみさんの同級生・池田正樹さんは46年前、横田さん親子の写真撮影の様子を遠巻きに見ていたという。
再会を誓う同級生の会 池田正樹 代表：
まさか、その写真が捜査のときに使われるとは。ちょっと悲しげな写真になってしまって。めぐみさんは、本当はいつも笑っていたので
その滋さんが亡くなり、2023年6月で丸3年。母・早紀江さんは87歳となった。
2月に、池田さんとともに松野官房長官と面会した際には…
再会を誓う同級生の会 池田正樹 代表：
早紀江さんと久しぶりにお会いしたが、元気がなくて、声もか細かった
体力的な理由から、面会後の取材に応じることもできなかった。
｢拉致問題は何にも分からないまま｣
そんな早紀江さんに、池田さんはこの日、寄居中の桜を見に来ていることを電話で伝えた。
再会を誓う同級生の会 池田正樹 代表：
いま、寄居中学校の桜を見に来たんですよ。めぐみさんを思い出して
横田早紀江さん：
もう、やっぱり枯れるんですかね。よく、あそこまで長く咲いてくれましたね。でも、拉致問題は何も分からないまま･･･
松村道子キャスター：
早紀江さんご自身も、寄居中の桜が見事だったことをよく記憶されている
再会を誓う同級生の会 池田正樹 代表：
早紀江さんは、本当は「新潟なんて大嫌い」とおっしゃっている。おそらく、寄居中の桜も見たくないと思っていると思う
再会を誓う同級生の会 池田正樹 代表：
ただ、そのあとに、帰ってきたらそれも払拭されて「もう一度、新潟に行きたい」とおっしゃっていた。早く、その日が来るように強く願う
（NST新潟総合テレビ）
