3月1日から企業の採用活動が解禁されている。そうした中、近年問題となっているSNSにおける迷惑動画の投稿や炎上は、新入社員の採用を行う企業にとっても見過ごせない状況にあるようだ。

SNSを巡る問題が次々と

若者の間では生活の一部となっているSNS。

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「裏アカウント」とは、そこで表には出せない自分の本音をさらけ出すために使われる匿名のアカウントなどを指す言葉だ。

回転寿司店で迷惑行為を行った動画
回転寿司店で迷惑行為を行った動画

SNSを巡っては、回転寿司店で迷惑行為を行った動画を投稿、店の業務を妨害した疑いで逮捕者が出るなど、社会問題化するケースも相次いでいる。

本格的に始まった「採用活動」では、こうした行為に企業側が神経をとがらせているのが現状だ。

「裏アカウント」で見える人間性

この日福岡空港に降り立ったのは、企業調査センター調査部長の角田博さん。

企業調査センターは、企業からの依頼で入社を希望する人に問題がないかなどを調べる会社で、角田さんはある会社が依頼し、事前に許可を得ている入社希望者の調査を行うことになっている。依頼内容によっては聞き込みなども行い、生活状況や履歴書の内容などに、そごがないか調べることもあるという。

こうした調査の中で最近、特に依頼が増えてきているのがSNSの「裏アカウント」調査だ。

企業調査センター・角田博調査部長:
依頼件数は、1,000件以上増えていると思いますね。コロナの影響で、WEB面接をせざるを得なくなったという状況から、SNSでその人の人柄を見ておいた方がいいんじゃないかと感じた企業が多かったのではないか

就職希望者の人間性がより現れるSNSでの発言や交友関係を調べて企業に報告し、企業はその報告を判断材料のひとつにするという。

企業調査センター・角田博調査部長:
アルバイト先の社員の方に対する悪口とか、誰かを誹謗中傷するような内容が繰り返されていないかなどを確認していきます

調べたSNSは、それぞれ「懸念なし」から「重大な懸念あり」までの4段階で評価する。

企業調査センター・角田博調査部長:
人物的に非常に問題ないと思われている人たちのSNSを見てみると、いろんなところに対する不平不満だったり人を見下すような発言が多かったりという方が、結構、頻繁に出てくるという印象ですね

就職希望者も慎重に

実際に過去にあった「裏アカウント」の調査結果を見せてもらった。

「老害はマジでいらん」
「あのくそ教授まじで嫌いや」

企業調査センター・角田博調査部長:
他人を見下すような発言が全体的に書かれていて、面接を受けた会社に対する批判と悪口なども一通りみられる

「裏アカウント」には、履歴書などでは伺い知れなかった大学などへの不平不満がかなり強い言葉で投稿されていた。

角田さんは、企業側もこうした就職希望者の「本音」とも取れる投稿に注目していて、本人の「本性」として捉える可能性が高いと指摘する。

企業調査センター・角田博調査部長:
今後はSNSが本当の自分という感じで、リアルな履歴書というかたちになっていくんじゃないかと思いますので、ますます需要が広がるのではないかと思います

一方、企業側の動きにあわせるように就職希望者も慎重になっている。

学生:
どうしても、ネットは残ってしまうので、過激な発言とかはしないようにしています

学生:
就活に影響するって思ったら、親しい友だちとかに制限をかけて注意しながら、プライベートなこともすぐ広まったりするので気を付けていかないとなと思いました

SNSでの何気ない書き込みが大きな問題となりかねない中、SNS上での立ち振る舞いにより一層注意していく必要があるようだ。

(テレビ西日本)

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