1000℃の鉄球を、さまざまな物の上に置いてみるとどうなるのか?実験の様子をおさめた動画が話題となっている。
実験を行っているのは、布・紙・フィルムなど製造工程でのしわや縮みを取り除くエキスパンダーロールの設計・製造・修理をしている「大阪染織機械株式会社」(大阪市)。動画を投稿しているのは、4代目社長がつぶやいているというこの会社の公式アカウント(@osakasenshoku)。
![竹の上に1000℃の鉄球を置いてみる実験](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/8/a/700mw/img_8a0e47db96c7f9c64e5e21572a8aa621181851.jpg)
動画では、短く切った1本の竹の上に1000℃に熱した鉄球を乗せる実験をしている。鉄球の色から、見るからに高温であるのがわかる。
![火が鉄球を包み込むかのように燃えている](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/c/700mw/img_fc1c00e25c81796949d4b88e8e3f5af2172500.jpg)
鉄球を置いた途端にすぐ燃えてしまうのではと思うかもしれないが、まず竹の接触している部分から火がのぼる。煙も出ずに、火は鉄球を包むかのように燃えており、おしゃれな照明のような明るさを見せている。
![徐々に鉄球が冷めていく](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/9/700mw/img_99177749e73feccb79a5acd7781c0bc5150380.jpg)
時間の経過と共に徐々に火は消えていき、鉄球は赤味を増していく。鉄球が接触して火が出ていた竹の先端部分のみ、黒く焼け焦げているのが分かる。
![節から上部分が縮んだ…](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/1/a/700mw/img_1a750411a1a199a35f18a9dfe07b05c4175458.jpg)
さらに様子を見ていくと、鉄球は赤色から灰色へと熱が冷めていく。最後は、竹の節から上部分が焼けたのか、少し色が薄くなり、シュウと音を出しながら竹が縮んでいた。
![竹はほとんど燃えない結果となった](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/0/4/700mw/img_0491debea2c9f46eb0a16a81860a8996163002.jpg)
そして、約30分後、触ることができるくらいに冷めた鉄球を取り除く。竹は接触した部分だけが燃えていたようで、乗っていた上部のみ焼け焦げていた。
「竹は燃えない」というまさかの実験結果には、Twitterでも「えー!! なんで!!」「不思議」といった驚きの声や、「鉄球が月に見えた(笑)」「照明みたいでカッコいい」といった燃えている様子への感想などが多く寄せられている。
動画は260万回以上の再生がされており、5万以上のいいねが付く話題となっている(3月23日時点)。
全て燃えて、灰になると想定していた
美しく燃える様子やまさかの結果を見せてくれた実験だったが、そもそもなぜこのような実験を行ったのか?
大阪染織機械の代表取締役社長・山本哲士さんに話を聞いてみた。
ーーなぜ竹の上に1000℃の鉄球を置いてみることにしたの?
竹が熱に強いと聞いた事がありまして、それなら1000℃の鉄球を置いたらどうなるか?と思ったのがきっかけです。
![1000℃に熱せられた鉄球は白く光り輝いている](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/2/700mw/img_92c23f8981bae2a928163a7dd8795c6b54585.jpg)
ーー実際の結果を見てどう思った?
竹が全て燃えて、灰になると想定しておりました。竹が想定以上に耐久性があったのに驚きました。
ーーなぜ竹が燃えなかったと思う?
竹に含まれる水分が関係していると思いますが、弊社は化学専門の会社ではありませんので、竹が燃えなかった具体的な理由はわかりかねます。
![おしゃれな照明のような燃え方](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/2/f/700mw/img_2f1c33855aed6fd81e329f567084df7761301.jpg)
ーー投稿が話題となっているがどう感じている?
製造業に限らず、さまざまな業界の方に反響をいただき大変光栄に思っております。
竹以外にも実験「1000℃シリーズ」
大阪染織機械では、竹の他にも、氷、固形石けん、ビン、ローション、スライム、凍らせたペットボトル、ビンと全7種類の物に、1000℃に熱した鉄球を置いてみたという実験をしており、Twitterをはじめ、Instagramなどで公開している。
![スルスルと石けんの上で回っている?](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/3/1/700mw/img_31beda500301d5fabc85a1961d22d41f193364.jpg)
例えば「固形石けん」の上に置いてみたところ、溶かしながら滑っているのだろうか。ジリジリと焼けるような音がする中、石けんの上で鉄球がスルスルと回っている。
![火をのぼらせながら沈んでいく鉄球](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/3/5/700mw/img_35fa3c548543cc8e2734be1854a59fb0156693.jpg)
さらに鉄球は火を立ち昇らせながら、最初に置かれた場所でスルスルとそのまま沈み込んでいく。
![黒く焦げた鉄球が石けんの中に沈み込んでいた](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/2/700mw/img_92ad6a1e1f6c8a76dda3a96ed8ecc811200901.jpg)
そして、最後には白い煙を出しながら、石けんにあけた穴の中で鉄球は黒く焼け焦げた状態で終わった。
![ローションの中に入れると、沸騰したようにグツグツとしている](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/5/e/700mw/img_5ec8643578bad4d7b6bfd62163a7d1b7163096.jpg)
また、「ローション」の中に入れてみると、ローションがグツグツと揺れ始める。まるで沸騰しているかのようだ。
![グツグツしたまま鉄球は冷めていく](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/9/700mw/img_998fa3e8399cc830d5437234691ff952165568.jpg)
次第に白い煙を出しながら鉄球が冷めていく。グツグツした様子も少しずつ収まっていっているようだ。
![少し焦げた部分もあるようだが、ローションに変化はなし。](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/5/700mw/img_653286772b1539aca930aeaa188c22a0197888.jpg)
グツグツも収まり、透明なローションの中にある黒い鉄球を取り出してみる。ローションは鉄球の周囲が少し焦げたのか黒くなった部分はあるものの、粘り気も色も変わらなかった。
他の物もそれぞれどうなるのか?と、最後まで思わず見てしまう実験が撮影されている。
“思いつき”で挑戦!驚きの結果も…
なぜ「1000℃シリーズ」を始めたのだろうか?試すものはどのようにして選んでいるのか?
シリーズについても話を聞いた。
ーーなぜ「1000℃シリーズ」を始めたの?
昔からYouTube等で熱した鉄球で実験している方を見て、弊社の作業環境なら再現できると思ったのがきっかけです。
![左:スライムの中に入れてみた 右:凍らせたペットボトルに置いてみた](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/4/700mw/img_f4634c34ee37b470f1e185939b204955150370.jpg)
ーー試す物はどうやって選んでいる?
私の思いつきです。考えて選んでおりません。
![ローションが蒸発すると思っていたそうだが…](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/5/700mw/img_b5f3e748d91995df6af33051ed3f339a89365.jpg)
ーー印象に残っている物は何?
ローションになります。理由といたしましては、ローションも化学物質でできているはずなので、高温なら蒸発すると考えておりました。ですが蒸発しなくて、そのまま鉄球の温度を下げた事に驚きを隠せませんでした。
1000℃の鉄球を竹に置いてもほとんど燃えないんです😊1000℃シリーズ何かと実験している弊社であります😎#製造業 pic.twitter.com/sFSPoTvvcG
— 大阪染織機械株式会社【公式】 (@osakasenshoku) March 20, 2023
山本さんは今後の1000℃シリーズに関して「視聴者の方から何かリクエストがあれば優先的に試そうと思います」と話している。
山本さんの思いつきによる実験だという「1000℃シリーズ」。次はどういった物が試されるのか、楽しみに待ちたい。