みなさんはパスワードを使い回していないだろうか？使い回してしまうと…犯罪の被害に遭うこともあり、とても危険。インターネットやアプリのパスワード、ちゃんと管理しているのか？街の人に話を聞いてみると…
どうする？ネットやアプリの「パスワード」問題
街の人は：
１つ決めたら、ずっとそれにしないと…もう忘れてしまうから。
好きなアーティストの誕生日の4桁とか。
つい一緒のものを使い回ししてますけど。
などなど…しかし、この”パスワードの使い回し”が原因である事件が起きている。
2月、大阪市に住む中国籍の男が不正アクセス禁止法違反の疑いなどで逮捕された。その犯行の手口とは「他人のポイントで商品購入」だった。
男は、大手ドラッグストア「サンドラッグ」のアプリで、仲間と共に不正に手に入れたIDとパスワードを使って、30代の会社員女性のアカウントにログイン。大阪府内にある「サンドラッグ」の店舗で女性が貯めたポイントを使い、化粧品などを購入した疑いが持たれている。
そのポイントはなんと、およそ6万7500円分に上るということだ。
ではなぜ他人のＩＤとパスワードが手に入ったのか。サイバー犯罪対策の専門家である神戸大学大学院の森井昌克教授はこう指摘する。
神戸大学大学院 森井昌克教授：
ヤフーやグーグル、フェイスブックなど、誰でも知っているような大きなサイトでさえ、何億人というリストが漏れたことがあるわけですよね。そういう他のサイトから漏れたパスワードを、そのドラッグストアに全部試してみるんです
森井教授によると、過去に不正アクセスなどで流出したIDとパスワードがリストとなってネット上などで取り引きされているということだ。そのリストを使って様々なログインサイトへ手当たり次第に入力するという手口。「リスト型攻撃」と呼ばれている。IDとパスワードを複数のサイトで使い回していた場合、不正にログインされてしまうかも…しれないのだ。
神戸大学大学院 森井昌克教授：
専門家から言わせると、当たり前の…というか,それほど不思議じゃない手口なんです。同じパスワードを使わないということが一番大事です。それでもやっぱりまだ「覚えにくいから」「面倒だから」と同じパスワードを使っている人は結構多いんですよね
実際、いろいろありすぎて、いちいち変えるのが面倒で、つい使い回してしまいがちな「パスワード問題」…少しでも簡単に被害を防ぐ方法はないのか？実際の被害を見てみると、まず「リスト型攻撃」のケースだ。
「リスト型攻撃」は、企業などから過去に流出したIDやパスワードのリストが使われる。利用者がIDやパスワードを使い回している場合、複数のショップサイトなどに不正にログインされて、勝手に商品を購入されてしまう可能性があるというのだ。
パスワードなどを使い回していると、この「リスト攻撃」に遭うリスクがあるということだが、実際に使い回している人は…かなり多いようだ。
大手セキュリティ企業「トレンドマイクロ」の調べによると、なんと85.7%の方がパスワードを使い回している。（2020年の調査）
使い回している理由として多いのが…
・パスワードを忘れるから
・違うパスワードを考えるのが面倒
といった理由だった。しかし、使い回している人のうち、約2割の人が不正アクセスや情報流出の経験があるということだ。
忘れない…パスワードの効果的なつけ方とは
では、被害を受けないためにはどうすればいいのか。サイバー犯罪対策の専門家である神戸大学大学院の森井教授によると「面倒だが、サイトごとに全て違うパスワードにすることが大事」だということで、さらに複雑なパスワードが良いということです。じかし、実際に実行するとなるとかなり面倒なことに。そこで森井教授から実践的な2つのアドバイスが…
１つめのアドバイスは…パスワードを「中心になるパスワード ＋ アルファ」に決めておく！
「中心となるパスワード」に「サイトに関連した自分だけが分かる記号」をプラスするのがいいのではということだ。名前などをパスワードにしたい場合は、名前だけではなく、そのサイトに関連した自分だけが分かる記号も、パスワードに加えると対策になるそう。
例えば、名前の「もえな」を「中心になるパスワード」にして、それに「お店の名前」などを加えるだけでもセキュリティが強化されるということだ。
さらに２つめのアドバイスは…「メモを残すならアナログ」！
スマホやパソコンだと情報漏えいの可能性があるので、パスワードなどは手帳に書いて、自宅に保管しておく。アナログなやり方だが、サイバー犯罪対策には有効だ。
SNSや企業など、いろいろなサイトがあって、それぞれ対応するには大変だが、面倒だと思わず、被害に遭わないためには対策を行いたい。
（関西テレビ「報道ランナー」2023年2月3日放送）
