俳優の大東駿介さんが、訪れた街のうんちくや、まだ地元住民にも知られていないような魅力を探す「発見!てくてく学」。

今回訪れたのは、大阪屈指の歓楽街として知られる十三(じゅうそう)です。

先週に引き続き、大東さんが十三エリアの名物グルメを調査します!

夕暮れに向けて活気が増してくる十三の街を歩きながら、大東さんは「これぞ十三」と言えるディープなスポットへ次々と潜入。

老舗の居酒屋から横丁の酒場まで、地元の人情が詰まった場所を巡りました。

■創業94年!十三で一番古い居酒屋「富五郎」

最初に訪れたのは、十三周辺で一番古い居酒屋といわれる「富五郎」です。

創業は昭和7年(1932年)。ことしでなんと94年を迎える老舗で、現在は四代目の大将・堀口詠士さんが切り盛りしています。

堀口さんは生まれも育ちも十三。幼稚園から中学校まで、ずっとこの街で過ごしてきたといいます。

【大東駿介さん】「(子供のころ)夜ごはんとか食べるときは?」

【富五郎・堀口さん】「上が実家なんで。『下りといで~』とか言われて、知ってるおっちゃんおったら『横座れ!一杯飲むか?』とか言われて」

【大東駿介さん】「いい景色やな~!」

■財布と相談しながら飲む!ユニークな「キャッシュオンデリバリー」

富五郎には、席ごとに小さなお皿が置かれています。

これは、富五郎ならではの珍しい支払いシステム、その名も「キャッシュオンデリバリー」です。

あらかじめその日の予算をお皿に置き、料理が来るたびにそこから代金を支払っていく仕組みなのです。

【富五郎・堀口さん】「サラリーマンの方が『きょう2千円しかないな』と言ったら、ここに置いてもらうんですよ。ほんで注文してもらって、品物出たときに、そこからその都度お金もらうようなシステム」

【大東駿介さん】「おもしろ!その日の上限をここでコントロールできる!」

2軒目、3軒目とハシゴ酒する人も多い十三ならではの、合理的かつ人情味あふれるシステムです。

さらに、お客さんが200円しか残っていない場合に、400円の料理を半分の量で作ってあげることもあるといいます。

■失敗から生まれた名物!豆腐の素揚げ「厚揚げ」

大将が勧める看板メニューは、全国からわざわざ食べに来るお客さんもいるという「厚揚げ」です。

一見すると普通の厚揚げに見えますが、実は豆腐を衣なしで素揚げにしたもの。誕生のきっかけは、なんと失敗だったといいます。

【富五郎・堀口さん】「昔、間違えて豆腐を放り込んじゃって。ほったらかしにしとったら親父が、『おぉ、これ厚揚げやんけ!』って」

【大東駿介さん】「失敗から生まれた?」

【富五郎・堀口さん】「怪我の功名みたいな」

醤油をかけてシンプルにいただくこの厚揚げに、大東さんも思わず笑顔を見せていました。

さらに、タケノコの煮物を追加で注文したところ、大将がさらりと日本酒をすすめ、ついついお皿のお金がなくなって財布に手が伸びてしまいます。

【大東駿介さん】「うまいな~!こういうことや、財布の口を開けさせる方法もさすがやで」

■のんべえの聖地!“しょんべん横丁”へ

富五郎を後にした大東さんが次に向かったのは、十三を象徴するエリアのひとつ「しょんべん横丁」です。

阪急十三駅のほど近く、戦後間もない頃から屋台や小さな飲食店が立ち並ぶ通りで、昼過ぎにもかかわらず、すでに飲み始めているお客さんたちがあちこちに!

すでに2杯飲んでいるという女性に握手を求められた大東さん。

手を握るとそのまま引っ張られ、店の中に引きずり込まれそうに!

【大東駿介さん】「すごいパワー!おもしろ!これが十三か…!」

■初対面でも熟年夫婦のよう!距離感を無くす不思議な下町・十三

次に「この店入ってよ!」と声をかけてくれた客の男性は、なんと箸を持ちっぱなしで外に出てきてしまいました。

男性は年金生活を楽しんでいるという常連客。まだ2軒目で、日が暮れるまで回り続けるといいます。

すると、少し離れたところにいた女性に…

【常連客の男性】「どうぞどうぞ!ここ来たら映るで」

さっと近づいて男性の腕を組む女性。何やら親しげですが…

【大東駿介さん】「え!この2人初対面!?こんなことある?長年のツレの距離感!十三の縮図を見てるな…なんでこうなったん?」

肩肘張らず、誰もが気楽に飲める街。これぞ正面横丁の魅力です。

■女性客が半数以上!卵料理の新店「Atama」

正面横丁には、2024年にオープンしたばかりの新顔も登場しています。

卵料理を専門とする居酒屋「Atama」です。
お客さんの半数以上が女性というこの店は、ディープな飲み屋街に不釣り合いなほど洗練された雰囲気を放っています。

一番人気は、見た目も美しい半熟卵がのったポテトサラダ。マヨネーズをベースにアンチョビやにんにくを加えたソースが絶妙で、大東さんも思わず絶賛!

店主の天野拓馬さんは元美容師。美容師時代にインスタグラムでお弁当を発信していたところ、五島列島の養鶏場で働くフォロワーと縁がつながり、その卵を使用するようになったといいます。

ディープな十三への入門店としても打ってつけの一軒です!

■2014年の大火災で39店舗が焼損

しょんべん横丁には、忘れてはならない歴史があります。

2014年3月、大規模な火災が発生。幸いにもけが人は出なかったものの、被害は約1500平方メートルに及び、39店舗が焼損しました。

火災から復活した店のひとつが、昭和31年創業の「十三トリスバー」です。

すっきりとした飲みやすさが特徴のハイボールと、研究熱心なマスターが作るおつまみが、仕事帰りのサラリーマンたちに長年愛され続けています。

■大火災から12年…復活を支えた人々の絆

二代目の江川さんご夫妻に火災当時の話を聞くと、その夜は「店で寝ようと思っていたが、やっぱり家でゆっくり寝ようと思い、帰宅した」ため奇跡的に難を逃れたそうです。

しかし店は全焼。駅前で募金を集めてガレキの処理費用にあて、3年ほどかけて店を再建することができたといいます。

お客さんたちの支えが、しょんべん横丁を取り戻したのです。

【大東駿介さん】「常連さんとか、ここで育った人たちに後押しされて残っていってる。十三という街の繋がりみたいなものを感じましたね。料理やお酒をいただくだけじゃなくて、十三で生まれた物語も一緒にいただくのが、これからの楽しみ方なのかなとすごく思いました」

(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」2026年5月7日放送)

関西テレビ
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