宮崎県内には3つの公立美術館があるが、このうちの1つが高鍋町美術館。
全国でも珍しい町営の美術館が、なぜ高鍋町にあるのだろうか。

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美術品のコレクションを町おこしに…文化の日に開館

高鍋町美術館 学芸員 青井美保さん:
日向や延岡の方たちに「どうして高鍋に美術館があるんだ?」というふうに言われることがあるんですけど、それが私たちとしてはうれしいお言葉でありまして

高鍋町美術館は、1999年11月3日、文化の日に開館した。

高鍋町美術館 萱嶋稔館長:
(開館の)きっかけがありまして、高鍋町出身の東京で事業を行って活躍していた会社の社長がおられまして、その方からある時、ご自身の美術品のコレクションを郷土・高鍋町で町おこしに使ってもらえないだろうかという提案があったんです

当時、高鍋町では、国のふるさと創生事業を活用した舞鶴公園の整備計画が持ち上がっていて、この申し出を機に、公園に美術館を建設する動きが加速したそう。

国内外の作品847点を所蔵 展示替えは半年に1度

開館から23年、美術館には現在847点の作品が収蔵されている。

美術館では半年に1度、展示替えをしながら館所蔵の作品に触れる機会を設けている。

高鍋町美術館 学芸員 青井美保さん:
一番多いのが宮崎県内の作家さんの作品で、国内外の作品を所蔵しているんですけれども、やはり中でも高鍋町にゆかりの作家ということでご紹介したいのは、児童福祉の父と言われる石井十次の娘婿にあたる、岡山県出身の児島虎次郎さんの作品です

高鍋町美術館 学芸員 青井美保さん:
しかも、児島虎次郎さんの作品の中でも、奥さまがアイロンがけをしていらっしゃる「アイロンがけ」という作品を当館所蔵しております。その作品のモデルが、石井十次の実の娘さんなんです

美術館は町民にも開放 小さな美術館だからできる展示会を

先人たちが残した名品を展示するだけでなく、高鍋町美術館は町民にも開放している。
取材した日は、高鍋高校の生徒たちによる美術作品などが展示されていた。

高鍋町美術館 萱嶋稔館長:
小さな美術館だからできる、実際大きな美術館ではなかなかやってもらえないような特徴のある展覧会を次々計画することができていますので、本当に皆さんに喜んでもらっているのではないかと思っております

高鍋町美術館 学芸員 青井美保さん:
脈々と高鍋藩の時代から紡がれてきた文化や教育みたいな土壌がこういった形で美術館として今、形になって、これからまた未来にバトンをつなげていく活動ができているというのは、高鍋町の素晴らしいところだなという風に感じていますね

(テレビ宮崎)

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