埼玉県所沢市の住宅街で、無施錠の家を狙って侵入しては、就寝中の少女にわいせつな行為をしたり、下着を盗んでいたとされる男。埼玉県警が立件した余罪は100件にのぼった。衝撃の犯行実態が、今回、明らかになった。

住宅街を物色する”習性”

無職の柳川実容疑者(やながわ・まこと34)は、2017年から去年5月までの間に、所沢市内の住宅5カ所に侵入。未就学から10代前半の少女5人にわいせつな行為をするなどした疑いで、先月、追送検された。

逮捕された柳川実容疑者(34)(去年10月 所沢署)
逮捕された柳川実容疑者(34)(去年10月 所沢署)
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調べに対して柳川容疑者は、「少女に興味があり、触ったり動画を撮ったりした。」と容疑を認めている。

柳川容疑者は日中、所沢市内の住宅街を自転車で物色する“習性”があった。家の外に置いてあるものや洗濯物などから、どの家に女の子が住んでいるのか、目星をつけていたそうだ。「普段から女の子がいれば家を覚えていた」そう供述する柳川容疑者は、こうした”習性”から、多くの少女たちの居住実態を把握していったという。

慎重な犯行 何度も被害に遭った少女も

そして、柳川容疑者は、夜遅くなるのを待って、目星をつけた住宅に向かい、カギがかかっていない窓などから侵入。寝ている少女たちにわいせつな行為をしたり、その様子を撮影していたとされる。

柳川容疑者は、目星をつけた住宅から、無施錠の窓などを探し出し、室内に侵入していたという(画像はイメージ)
柳川容疑者は、目星をつけた住宅から、無施錠の窓などを探し出し、室内に侵入していたという(画像はイメージ)

ただ、少女たちに気付かれそうになると、犯行を中断。下着などを盗んで、その場を立ち去っていたという。かなり慎重な犯罪者なのだ。

なぜ、柳川容疑者は、このような犯行を繰り返すことができたのか。被害に遭った少女や保護者の中には、物音などで目が覚めても、すでに柳川容疑者の姿はないため、被害に気がつかなかったり、不審者が室内に侵入してきただけと思い込んでしまったケースもあったという。このため、複数回、被害に遭った少女もいたとされている。

わいせつ動画6900点

しかし、閑静な住宅街で繰り返された卑劣な犯行を埼玉県警は許さなかった。去年8月、所沢市内で起きた少女に対する強制わいせつ容疑などで、柳川容疑者を逮捕し、ハードディスクなどを押収。

押収されたハードディスクなどからは、わいせつ動画など6900点が見つかった(画像はイメージ)
押収されたハードディスクなどからは、わいせつ動画など6900点が見つかった(画像はイメージ)

その中には、わいせつな動画・画像などのデータが、6900点も保存されていたというのだ。このため、県警は、前代未聞のわいせつ事件として、全容解明に乗り出した。

柳川容疑者の供述とわいせつ動画・画像を照らし合わせ、犯行の裏付けを進めていく地道な捜査が続けられた。少女ばかりが狙われていたため、被害者の特定は、慎重を極めたという。

”下着泥棒”がエスカレートか

去年、再逮捕された際、「下着泥棒は中学のころからやっている」と供述していた柳川容疑者。今回、追送検された容疑には、2016年から数年間に渡って、下着など68点や、住宅の鍵3本を盗んだ「窃盗」も含まれていた。これらの鍵が、実際に犯行に使われたかは分かっていない。

柳川容疑者は、「3年前から少女たちを触ることが目的になった」などと話しているという。
柳川容疑者は、「3年前から少女たちを触ることが目的になった」などと話しているという。

”下着泥棒”がエスカレートして、少女に対するわいせつ行為に発展したのか。調べに対して柳川容疑者は、「3年前から少女たちを触ることが目的になった」などと話しているそうだ。子供たちが平和に暮らす閑静な住宅街の裏で繰り返された卑劣な犯行。

柳川容疑者に対する捜査が始まった当初、ある捜査幹部は「こんなに余罪が出てくるとは」と驚きを隠せない様子だった。ところが、結局、埼玉県警は、10件のわいせつ事件と、90件の窃盗事件を立件したという。100件もの犯行を事件化し、捜査は終結したのだった。

(フジテレビ社会部・埼玉県警担当 大久保裕)

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