鳥取県で2022年に生まれた子どもの数は約3,800人(鳥取県の推計による)で、7年ぶりに増加に転じた。背景には、「子育て王国」を名乗る鳥取県の特に子育て世代をターゲットにした移住促進策があった。

子どものことを考えて都会から移住

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鳥取・倉吉市郊外の福富地区。ある家を訪ねてみると、子どもたちのにぎやかな声が響いていた。2022年、東京から、ふるさと・倉吉市にUターンした小田桐こころさんと、福島県出身の夫・史弥さんの一家だ。

小田桐こころさん:
これがしたくて、田舎に帰ってきたんですから

小田桐史弥さん:
そうそうそう

家族:
これはできないよね、都会じゃ

ブランコは史弥さんの手作り。長男・銀志くんと長女・志茉ちゃん2人とも大のお気に入り。

小田桐こころさん:
(Uターンの動機の)一番は、子どもを考えた環境づくりをしたくて。都会で暮らして、さらに実感して戻ってきました

住まいは、こころさんの両親が住む実家の隣。いざという時には、子どもたちの世話などを頼ることもでき、子育ての不安は小さくなったという。

東京では共働きだったという小田桐さん。こころさんは、現在、育休中だが、夫の史弥さんは、北栄町の中学校で学習支援員として働いている。移住後、史弥さんは、東京での会社員時代に比べ収入が減ったというが…。

小田桐史弥さん:
給料で言うと、たぶん下がったけど、ストレスフリーだし、(東京では)夜勤もあって、夜、子どもに会えなかったが、今は心の余裕も違う

通勤時間は1時間30分から15分に短縮し、子どもたちと触れ合う時間が増えたという。そんな小田桐さん一家には、倉吉に移り住んだあと、家族が1人増えた。

小田桐史弥さん:
(東京では)子育ての不安もかなりあった。当時、子どもは2人だったんですけど、もう1人欲しいなとも思っていて

行政も子育て世代誘致に力入れる

移住後、子育て環境に恵まれたことが後押しした。

鳥取県・平井知事(1月11日):
(全国の出生率は)減少ということでだったが、鳥取県は逆に増えたという結果になりました

鳥取県の推計によると、県内で2022年1年間に生まれた子どもの数は約3,800人。人口減少や高齢化の影響で出生数が毎年200人近いペースで減少していたが、2015年以来7年ぶりに増加に転じた。

鳥取県・平井知事(1月11日):
移住者の数自体もこのコロナ禍で増えてきている。この影響で、子どもをもうけられる数が、実数として増えてきているのではないか

コロナ禍を経て、地方への移住に関心が高まり、鳥取県でも移住者の受け入れが増加。特に、子育て世代の移住が増えたことが、出生数の減少にブレーキをかけた格好だ。

鳥取県子育て王国課・川上裕子課長:
(子育て世代への)経済的支援や「地域全体で子育てをする」という機運醸成。地域みんなで子育てができているという、鳥取県の環境が大きいのでは

子どもも親もストレスフリーに

地域みんなで子育て。取材中にはこんな光景も…

近所の人:
撮影?

小田桐こころさん:
(私が)赤ちゃんのころから知ってます。親だけでは経験させられてあげられないことも、みんなが教えてくれる

身近なところに子育ての先輩がいる。

小田桐こころさん:
迎えに行ってきます。(子どもも)「きょうは鬼ごっこしたい」とか、「きょうは大工をする」とか、いろいろ言いながら園に通っています。一番、子どもをのびのび育てられる環境を探していたので、それは(移住の)決め手にもなっている

自宅を出て、車で20分。山道を抜け、小田桐さんが向かったのは、長男が通う幼稚園。

子どもたち:
鬼ごっこやるぞ~

「自由な学び」をコンセプトに、子どもたちは自然の中で過ごしている。

自然がっこう「旅をする木」・得田優さん:
ぼくもそうですね、移住してきました。自然環境の中で、子どもも親も自由に、ストレスなく育っていける環境があって、「子どもを産みたいな」「子どもを育てたいな」と思ってくれる親子が増えたらいいなと思う

自然がっこう「旅をする木」
自然がっこう「旅をする木」

県は、こうした「自然保育」を支援。運営費の助成や保育料の軽減などに全国に先駆け取り組んでいる。また、県の支援を受け、5つの町で第1子から保育料が無償化されている。

小田桐こころさん:
(鳥取県への移住で)子育てがさらに楽しいと思える瞬間が増えました

県外の子育て世代を鳥取へ…
子育て環境を整え、若い世代の移住を呼び込む鳥取県の取り組みは、少子化、人口減少に歯止めをかける、ひとつのヒントになりそうだ。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ

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