地球に接近するのは約5万年ぶりとなる「ZTF彗星」。

しかも軌道が変化し、もう二度と見ることができなくなるということで注目を集めている。

2日未明に地球に最も接近したが、観測しやすくなるのは実はこれからだという。平塚市博物館の天文担当学芸員、藤井大地さんに観測しやすい日と時間帯などを聞いた。

火星を目印に彗星を観測

ーー「ZTF彗星」の観測はまだチャンスある?
まだ見るチャンスはあります。

地球から徐々に離れていくので暗くはなりますが、明るい星に接近するので見つけやすくなります。

ZTF彗星(撮影:Nyanata8355)
ZTF彗星(撮影:Nyanata8355)
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2月5~6日にカペラという明るい星に接近し、11日には火星に接近します。火星を頼りに彗星を見つけることができるかもしれません。

ただ肉眼では見えないので、双眼鏡を用意していただいて、暗いところに十分目を慣らした上で、観測することをお勧めします。

火星に近付く頃にはもう6等級ぐらいに落ちていると思いますが、高い位置にあるため、大気の影響を受け難くなるので望遠鏡で見る場合は基本的に良い状況です。

群馬県で撮影されたZTF彗星(撮影:KAGAYA)
群馬県で撮影されたZTF彗星(撮影:KAGAYA)

ーー今回の彗星は明るい方?
彗星の中では明るい方になりますが、肉眼ではやはり見えない明るさです。

人間の肉眼は6等級が限界といわれていて、今回のは4~5等級なのでギリギリ見えるかもしれませんが、皆さん光がある場所で暮らしているので、そうすると最接近でもまず双眼鏡がないと厳しいです。

夜9時頃が狙い目

8日前後は彗星の位置がほぼ真上になるということだが、藤井さんは2月上旬は夜9時ごろが観測しやすいと話す。

ーーこれからは何時ごろが見やすい?
北極星に近い場合は一晩中見られますが、これからは夕方に見やすくなってきます。一晩中は見られないけど、その代わりに日没から夜9時ごろに高い空に見えるということです。

15日ぐらいまではその状況で、それを過ぎると太陽から離れていくので、もうかなり暗くなります。