バイクショップの防犯カメラが窃盗の一部始終を捉えていた。カメラにナンバープレートまで記録されていた犯行車両。3日後にも全く同じ車がやってきて、“客”として何食わぬ顔で来店した男が逮捕された。
窃盗犯と犯行車両をはっきりと撮影
1月25日未明、埼玉・本庄市にあるバイクショップ。

店の前の駐車スペースに1台の軽トラックが入ってきた。

車から降りた不審な人物は、うろうろしながら辺りを物色。

すると、センサーで反応した防犯灯が男の姿を浮かび上がらせた。軽トラックのナンバープレートもはっきりと映っていた。

金目のものがないとみた男は、道路の反対側にある駐車場へと向かった。

すると、そこに止まっていた店の車の荷台に目をつけ、アルミ製のはしご2台を、乗ってきた軽トラックへと運び入れた。

軽トラックの男は、はしごを盗んだ後、ゆっくりと慎重な運転で現場をあとにした。
“窃盗犯”が“客”として3日後に来店
そして3日後。

同じ軽トラックが、今度は営業中の店に戻ってきた。

男は、なぜかナンバープレートの付いていない原付バイクを押しながら店を訪れ、カタコトの日本語で「修理してほしい」と話したという。

男は何食わぬ顔で客として来店したのだ。

突然「バイクが見たい」と言って男が外に出た、その時だった。

案内していた店の社長が、駐車場の軽トラックに気付いた。

車種に加え、ナンバープレートも犯行車両と同じだった。

社長は、窃盗犯のまさかの来店に驚き、店に駆け込んだ。

話を聞いた別の従業員が慌てて外へと飛び出した。

男は車で逃げようとしたが、従業員が間一髪のところで取り押さえた。

店に連れてこられた男は従業員に問いただされ、「はしごを取りました」と白状したという。

通報から約10分後、警察官が店に到着し、男は抵抗することなく連行されていった。

窃盗容疑で逮捕されたのはベトナム人の男(23)。

被害に遭った店の従業員は、客として訪れた男に不審な印象を抱いていた。
「(男が)下見で探っているような感じの行動をとっていたので、あれ…なんかおかしいなと。防犯カメラの映像をかなりよく見ていて、そっくりだったので気付いたんです」
店の中で椅子に座らされた男は「金を払うから許してくれ」と何度も頼み込んできたという。

事件解決に重要な役割を果たす防犯カメラ。

全国の警察が2021年に検挙した事件約25万件のうち、防犯カメラ映像(ドラレコを含む)によって解決した事件は全体の14%にのぼるという。(警察庁HPより)

被害に遭った店の従業員は、「お客さんで来ていた人が盗みをするのはかなり残念ですよね。
(盗まれたはしごは)犯人の家にあったので警察から返していただいた」と話した。
(「イット!」 1月31日放送より)