1月24日夜から29日にかけての寒波、大雪で、山陰両県では道路交通に大きな影響が出た。こうした中、クローズアップされているのが道路の除雪体制だ。島根・松江市と鳥取市にスポットを当て、実態を取材した。

大雪の影響が残った松江市

交通網に大きな打撃を与えた1月24日夜からの大雪。

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福村翔平記者(1月25日):
松江駅のバス停、バスが1台もありません。路線バスが始発から運転を見合わせています

5年ぶりに30cmを超える積雪となった松江市では、大雪のピークとなった24日夜から25日夕方まで、市内を走るバスが全便運休となった。30日も一部区間で運休や迂回ルートでの運行など、影響が続いていた。

松江市交通局・佐藤広樹課長:
1台だけ走るなら問題はないが、どうしてもすれ違うときに支障が出る場所は、運行が難しい

除雪が行き届かない要因は

迂回が発生した区間に28日、向かってみると…。

福島睦アナウンサー:
かなりでこぼこで、タイヤも取られますね。道路状況も良くないです

大雪のピークは過ぎたものの、除雪が進んでいない悪路のままだった。

道路の両脇に積もる雪で道幅が狭く
道路の両脇に積もる雪で道幅が狭く

福島睦アナウンサー:
もともと狭い道路の両脇に雪が積もり、とても大型バスがすれ違える状況ではありません

周辺の住民:
バスが通るだけの最低限のところまでは除雪していただきたい

周辺の住民:
雪国を参考にして、いろいろ対策を考えてもらえれば。住民の方だけではなくて、バスを利用される方も、全然違うと思うんですけどね

市内の生活道路までは除雪が行き届いていない状況に陥っていた。

松江市道路課・門脇晴彦課長:
本来なら、積雪15cmになったら除雪という体制だが、今回(の大雪で)は、(積雪)5cmから体制を組んだ

松江市の除雪計画では、交通量などに応じて道路の優先順位を3段階に分けている。今回の大雪は事前に予想できたため、当初の計画よりも出動を早めてフル稼働で対応したが、地域の生活道路まではなかなか手が届いていないのが実情だ。

その一つの要因が…。

松江市道路課・門脇晴彦課長:
除雪という作業は地域の実情を熟知したオペレーターが必要だが、そういった人材が不足している

スムーズに除雪が進んだ鳥取市

一方、同じくらいの積雪があった鳥取市。

鳥取市内の路線バスは、大雪のピークだった25日午前中にはほぼ通常運行に。運休を最小限に抑えた。

鳥取バスターミナル・杉木功さん:
鳥取市内は除雪ができていたので、大雪にしては、比較的バスも走れたかなという感じです

除雪が進む鳥取県。その要因が…。

鳥取県道路企画課・白根貴之さん:
2017年に最大70cmの積雪があり、これを契機に除雪体制を強化しています

2017年1月の記録的な豪雪。智頭町では1日70cmの積雪となり、多くの車両が「立ち往生」した。

県は、この教訓から除雪体制を強化、除雪機の出動基準をこれまでの積雪10cmから5cmに引き下げ、さらに除雪機も375台から509台まで増やした。さらに…。

鳥取県道路企画課・白根貴之さん:
オペレーターの高齢化による減少に対して、一役担っている

高齢化や土木業者の減少などで人手不足の除雪機のオペレーターについて、鳥取、島根両県は、運転免許取得に必要な経費を助成して人材確保を後押ししている。このうち、鳥取県では、これまでに400人以上が支援制度を活用している。

鳥取県道路企画課・白根貴之さん:
支援制度を行うなどして関係各社と連携を図っているので、(除雪が)スムーズにいったのでは

毎年起こりうる大雪に備え、道路管理者には、適切な除雪体制の構築が求められている。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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