元プロ野球選手・川口和久さん。2021年に故郷・鳥取市にUターンし、2022年は初めてのお米作りに挑んだ。充実したUターン1年目を過ごした川口さんは、すでに来年に向けたチャレンジを始めている。

故郷にUターン…川口さんの2つの目標

広島、巨人で投手として活躍した元プロ野球選手・川口和久さん(63)。2021年10月、2つのやりたいことを胸に故郷の鳥取市にUターンした。

広島、巨人で活躍した川口和久さん
広島、巨人で活躍した川口和久さん
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その1つが、未来のプロ野球選手を育てることだ。
川口さんは、県内各地の少年チームのもとへボランティアで赴き、「ここにボールを置いて、そこから背中の軸を回して投げる。良い投げ方じゃん!」と子どもたちを指導した。

ボランティアで“未来のプロ野球選手”を指導
ボランティアで“未来のプロ野球選手”を指導

そしてもう1つが、経験ゼロからの米作りだ。

川口和久さん:
この背中(「星空舞」の文字が書かれた背中)をみんなが見て、鳥取のお米を作ろうと。浮気はするなと

川口さんの背中には「星空舞」の文字が
川口さんの背中には「星空舞」の文字が

初めて行う春の田植え。

川口和久さん:
田植え機で田植えをする。この機械も、きょう初めてなんですけど。どうなるかわかんない

そして迎えた、秋の稲刈り。

川口和久さん:
これは太いなあ。さすがよく切れるな

移住から1年。TSKのカメラは、川口さんの悠々自適、第三の人生を追ってきた。

川口和久さん:
農業ルーキーですから、1年目ですから。「新米が新米を作った」ということでよろしいでしょうか

収穫の秋が終わり、シーズンオフに…と思いきや、来年に向けて、早くも新しいプロジェクトが始まっていた。

「オール鳥取県産」で味噌づくり

冬の足音が聞こえてきた11月下旬。川口さんが、鳥取県東部・若桜町に姿を見せた。

川口和久さん:
4日間で味噌を仕込みます。おいしいお味噌

新しいプロジェクト、それは味噌づくり! 使うのは、川口さんが育てたお米だ。

川口和久さん:
料理を作る時のユニフォームです

記者:
違和感は全くない?

川口和久さん:
自分は見えないから。違和感は自分にはない

お米以外の材料にもこだわった。

川口和久さん:
これは三朝町の神倉大豆という大豆。甘くてすごくおいしい」

味の決め手となる塩は、大山の藻塩だ。

川口和久さん:
これは大山の藻塩なんです。(舐めて)甘い!

川口さんの「星空舞」に、三朝の「神倉大豆」、そして、大山の「藻塩」。材料はオール鳥取県産だ。

4日間にわたる味噌づくりが始まった。。

記者:
どんな米こうじになりましたか?

川口和久さん:
これは4番バッター、山本浩二(こうじ)

こうして材料が混ぜ合わさったあと、最後の工程では川口さんの本領発揮だ。空気を抜くために材料をたるの中に投げ、詰めていく。ボールを味噌玉に持ち替えて、全力投球!

特別な許可を得て、球速ならぬ“味噌速”を計ってみた。

川口和久さん:
(43キロ!)きょう最速だね

大粒の汗をかきながら仕込み作業が完了。でき上がるのは1年後だ。

川口和久さん:
来年田植えして、稲刈りして、ちょっと落ち着いたころ、10月後半くらいに出来上がってると思うので。いいんじゃないですか

充実の1年 来シーズン目指すのは“沢村賞”

野球教室からコメ作り、そして味噌の仕込みまで。川口さんは、慌ただしく駆け抜けた移住後の1年を振り返った。

川口和久さん:
80点くらいの出来です。僕としては充実感あります

ただ、川口さんの気持ちは、すでに次のシーズンに向かっている。

川口和久さん:
2023年も同じリズムで生活すると思いますし、楽しく歳をとっていきたいし、年齢を重ねてきて体力は落ちてくるけど、その分、経験だとか新しいことへの挑戦だとか、そういうことをやることで歳をとらないんじゃないかなって

川口さんは、プロ投手最高の栄誉になぞらえ、2年目の活躍を誓った。

川口和久さん:
野球人生の中で1回だけ「沢村賞」をとりたかったというのはありましたけど、かなわないので、来シーズンは農業で「沢村賞」を取りたいと思います。完璧、完璧!

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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