脱プラスチックへの動きが加速する中、企業も様々な取り組みを進めている。
中でもリサイクル率が高く、汎用性がある「紙」を使った製品を作る新潟県内の企業を取材した。
印刷所の技術を生かす！「クリアファイル」も紙製に
靴下が入った、こちらの包装袋。
袋に使われているのは、実は「紙」。こちらの会社では、もともとプラスチックの袋に商品を入れていたが、半年ほど前から紙への置き換えを進めている。
この包装袋を手がけたのは、創業100年以上を誇る五泉市の吉田印刷所。
吉田印刷所 吉田泰造 代表取締役社長：
「グラスパックシリーズ」として、当社がオリジナルで作って販売している
透過性の高い「グラシン」と呼ばれる紙を使った100％紙の包装袋を開発し、2022年から本格的に販売を始めている。
吉田印刷所 吉田泰造 代表取締役社長：
紙でありながら中身が見られる、脱プラにつながるツールだということで、高く注目をいただいている
もともとは、パンフレットやチラシなどの商業印刷がメインだったが、時代のニーズと変化に対応しようと、取り組みを進めている。中には、包装袋を応用した100％紙のファイルも。
松尾和泉アナウンサー：
こちら紙ファイルとクリアファイルを並べました。紙なので、やはりすごく薄いですし、材質もざらざらとしています。ですが、クリアファイルと同じように資料を入れることができますし、問題なく使うことができそうです
松尾和泉アナウンサー：
薄いのはいいかもしれない。プラスチックのほうが重いですし、たまるんですよね
吉田印刷所 吉田泰造 代表取締役社長：
そうなんですよ。たまるんですよ。年末、大掃除のときに、すごいことになっていません？
松尾和泉アナウンサー：
すごいことになりました
紙なので水には弱いが、文書裁断機にかけて資源ゴミとして出すことができる。
また、こんな使い方も！この紙ファイルに「NST Newsタッチ」のポスターを印刷してもらうと…
吉田印刷所 吉田泰造 代表取締役社長：
企業様の脱プラへの取り組みがしっかりアピールできるような商品になるのかなと考えている
培ってきた印刷技術と紙のポテンシャルを生かし、脱プラ化を進める企業などの後押しを目指す。
吉田印刷所 吉田泰造 代表取締役社長：
紙の可能性は至る所に感じているが、やはり素材感が非常に五感で伝わる所が非常におもしろい。中身によって、色々なバリエーションのもののご提案ができるような準備をしていければ
新潟の冬にピッタリ 「雪道」で役立つ紙製品!？
新しい取り組みをスタートさせた企業がある一方で…
松尾和泉アナウンサー：
創業当初から様々な紙製品を作り続けているこちらの会社。玄関前に置かれている、新聞受けも紙でできています。かたい音がするので、紙でできているとは思えません
創業から81年間。一貫して紙製品の加工をなりわいとしてきたのは、長岡市にある安達紙器工業。厚い紙を材料に、投票箱や新型ウイルス対策のパーティションなど様々な製品を生み出してきた。
例えば、こちらは新潟の冬にぴったりの商品。
安達紙器工業 安達眞知男 代表取締役社長：
車が雪道でスタックして動けなくなったときに、これをタイヤの下に入れて脱出するという商品
雪道脱出具「スグラ」は非常に柔軟性があり、軽やかにしなるため、タイヤにも簡単にフィットする。それだけではなく…
安達紙器工業 安達眞知男 代表取締役社長：
2トン車までだったら、この厚みの材料で十分耐えるということが分かったので商品化した
紙だが、耐久性抜群で簡単には破れない。そんな紙の最大の利点は、木材が原料のものが多いため、環境への負荷が少ない点。
安達紙器工業 安達眞知男 代表取締役社長：
最終的には土に返るというか、元に戻る。それが良さ
脱プラ化の動きが進む中、こうした紙の価値を見直す企業が増えているという。
安達紙器工業 安達眞知男 代表取締役社長：
実際にお客様から「こういうものが紙でできないか、こういうふうにしたいんだけど」というお話はたくさんいただく。環境に対する意識が変わってきたという感じは受けている
変わりつつある人々の環境問題への向きあい方。一方で「紙」についての周知や理解がまだまだ進んでいない現状があることも事実だ。
安達紙器工業 安達眞知男 代表取締役社長：
地元の方々には商品の一部しかご覧いただいていないが、もっともっとPRして、色んな紙製品を広げたい
（NST新潟総合テレビ）
