勇壮な火の攻防で知られる長野県野沢温泉村の道祖神祭りが1月15日、盛大に行われた。3年ぶりに宿泊客も見物できるようになり、かつてのにぎわいが戻った。

3年ぶりのにぎわい

たいまつを手に攻める男:
ほら、いくぞ!

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(記者リポート)
たいまつを使い、男たちによる激しい火の攻防が行われています

高くそびえる「社殿」に火をつけようと、たいまつを手に攻める男たちと必死に社殿を守る男たち。伝統の「火の攻防」が繰り広げられた野沢温泉村の道祖神祭り。

コロナ禍で2021年は中止、2022年は一部の村民だけの参加だったが、3年ぶりに全村民と宿泊客の見物が認められた。外国人客も興奮気味だ。

外国人客:
デンジャラス!エキサイティング!

かつてのにぎやかさを取り戻した祭りの一日に密着した。

厄年の男たちが社殿を造る

社殿を造る(1月15日)
社殿を造る(1月15日)

1月15日午前10時、会場では着々と「社殿」が造られていた。厄年の男たちが準備するのが習わしで、数えで25歳の「長聖会」と42歳の「響優会」が協力して建てる。

野沢温泉の道祖神祭りは、国の重要無形民俗文化財に指定されている。「どんど焼き」と同じで、小正月に五穀豊穣や子孫繁栄を願うものだが、燃やすのは高さ十数メートルはあるこの「社殿」だ。

正午過ぎに社殿が完成―。

響優会 道祖神委員長・河野周平さん:
この年になって仲間たちともう一度集まって、ワイワイやれたのは楽しい時間でしたね

長聖会 幹事・東澤優輝さん:
村民も人数制限があったんですけど、今年はほとんどのお客さまや村民が入れるので思い切った姿が見せられればと思います

健やかな成長を願い初灯籠

一方、こちらは子どもが生まれた家が奉納する初灯籠。社殿と一緒に燃やし、子どもの健やかな成長を願う。

会社員・畔上大地さん(48):
(初灯籠を燃やすのが)お父さんは寂しいな。でも、それだからいいんだよね

クロスカントリースキーでソルトレークオリンピックにも出場した畔上大地さん。今年、次男・歩大くん(7)の灯籠を奉納した。

畔上大地さん:
かっこいい、きれいな灯籠で本当に気に入っている。燃やしちゃうのがもったいないくらいですけど、きょうは立派に奉納していただきたい

たいまつを先頭に会場へ

午後6時半、灯籠を一度解体し、大きなたいまつを先頭に火祭りの会場へ。

畔上歩大くん(7):
最高

たいまつを振り回しながら進む―。

外国人客:
アメイジング!すばらしい

夜7時半。厄年の代表者が火元と呼ばれる家に、祭りで使う火をもらいに行く。30分ほどかけて会場へ。

歩大くんの初灯籠も会場に建てられた。

激しい火の攻防

夜9時、いよいよ火の攻防が始まった。

火の攻防
火の攻防

社殿を守るのは数えで25歳になる「長聖会」の男たち。これを守りきれば一人前の村の男だ。

社殿の屋根では42歳の「響優会」の面々が唄で盛り上げる。

見物客:
すごい迫力です。勇ましくていいです

見物客:
野沢の男はかっこいいです

1時間半に及ぶ攻防の後、双方の手締めで社殿に火がつけらた。

畔上大地さん:
燃えちゃうよ、燃えちゃうぞ

歩大くんの初灯籠も…

畔上大地さん:
皆さんの力を借りて奉納いただいて、ありがとうございました。これが野沢温泉です

燃え上がる社殿
燃え上がる社殿

高く燃え上がる社殿の炎。祭りは最高潮へ。

社殿を守った長聖会:
散り散りになった仲間たちとまたこうして集まって、子どもの頃みたいにやんちゃできて、最高の祭りだったと思います

フランス人観光客:
素晴らしかった、とても美しかった。見られていい経験でした

響優会の男たち
響優会の男たち

かつてのにぎやかさを取り戻した祭り。野沢温泉村の熱い一日が終わった。

道祖神の唄:
命あるなら来年も~

(長野放送)

長野放送
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