若きキャリア官僚の男が、”睡眠薬”入りの飲み物を女性に飲ませて、意識をもうろうとさせた上で、わいせつな行為をした疑いで、警視庁に逮捕された。この男をめぐっては、他にも複数の女性から、被害相談が寄せられているという。
クリスマス夜にネットカフェで
経済産業省の職員・佐藤大容疑者(32)は、去年のクリスマスの夜、東京・足立区のネットカフェの個室で、20代の知人女性に、睡眠作用のある薬物を混入した飲み物を飲ませて、意識をもうろとさせた上で、わいせつな行為をした疑いが持たれている。
この記事の画像(13枚)調べによると、この日、佐藤容疑者と被害者の女性は、午後5時ごろから、足立区の居酒屋で一緒に酒を飲んでいたという。その後、午後7時ごろ、2人は、店から歩いて3分ほど離れたネットカフェに移動。個室に入り、一緒に映画を観はじめたとのこと。
すると、途中から、女性は、強烈な眠気に襲われ、そして、急に記憶が、途切れ途切れになったという。居酒屋で飲酒していたが、ネットカフェでは酒を口にしていなかった。「おかしいな」と思いつつ、午後11時ごろに店を出た女性は、佐藤容疑者と別れたとそうだ。
女性の体内から”睡眠薬”成分
結局、女性は、翌12月26日の朝、警察署に電話。「ネットカフェで映画を観ていたところ、意識がもうろうとなり、一緒にいた男性に、わいせつな行為をされた」と訴え出たという。2人は、一緒にクリスマスの夜を過ごすも、”男女”の関係にあった訳ではなかったとのこと。
何度か食事をともにする程度の知人同士だったようだ。被害相談を受けて警視庁は、”デートレイプドラッグ”事件として、捜査一課が投入された。女性の体内からは、睡眠薬の成分が検出されたという。
その後の捜査で、女性が、ネットカフェのトイレに行っている間に、佐藤容疑者が、睡眠作用のある薬物を混入させた可能性が高いことが判明。捜査一課は、今月19日、佐藤容疑者を準強制わいせつの疑いで逮捕したのだった。
複数の女性が被害か
佐藤容疑者は、経産省で、貿易経済協力局 技術・人材協力課に所属するキャリア官僚。事件を受けて、現在、秘書課付けとなっているという。捜査一課は、家宅捜索により、容疑者のスマホなどを押収している。
調べに対して佐藤容疑者は、「睡眠薬を飲ませたことに関しては全く身に覚えがない」「本人の同意のもと、頭を軽くなでたり、服の上から体のどの部分か覚えていませんがさわりました」などと否認しているという。
佐藤容疑者をめぐっては、他にも、複数の女性から、同じような被害相談が寄せられていて、捜査一課は、今後、余罪を追及するとともに、睡眠薬の入手ルートなどを調べる方針だ。
経産省は、「今般、当省の職員が逮捕されたことは、誠に遺憾。 経済産業省としても捜査に最大限協力し、全容の解明を踏まえて、厳正に対処したい」とコメントしている