ビールジョッキを手に、ガッツポーズをする男。

福岡・博多駅前の路上で、那珂川市の会社員の川野美樹さん(38)が殺害された事件。警察は18日、元交際相手の寺内進容疑者(31)を殺人容疑で逮捕した。

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寺内容疑者は、容疑を認めているという。

18日の事件現場には、花を手向けに訪れる人が後を絶たなかった。本来であれば、18日に誕生日を迎えるはずだった川野さん。39歳の誕生日を目前に刃物で殺害された。

現場には花や飲み物と一緒に手紙が供えられ、バースデーカードを手向ける人もいた。

バースデーカードを手向けた人:
つらかったね、怖かったね。もうたまらないね…。

事件直前の防犯カメラに容疑者との姿

福岡市の中心部で事件が起きたのは、16日午後6時15分ごろ。FNNは事件の直前、川野さんとみられる女性が寺内容疑者と歩く様子をとらえた、防犯カメラ映像を入手した。

福岡市の博多駅近くの路地を、傘を差して並んで歩く男女の姿。少し後を歩く黒い上着を着た男に、ベージュのコート姿の女性が顔を向けて、何か話をしているように見える。女性は殺害された川野さん、一緒に歩く男は寺内容疑者とみられる。

防犯カメラ映像に記録された時刻は16日午後6時12分過ぎだが、表示は実際の時刻から4分半ほど進んでいたことから、実際に2人が歩いていたのは午後6時8分ごろ。事件はこの7分ほど後に起きたことになる。

捜査関係者によると、川野さんは仕事を終えて会社を出た直後、知人とみられる男から声をかけられ、事件に巻き込まれた。現場付近で寺内容疑者の指紋が検出され、捜査本部は行方を追っていた。

逆恨みでのストーカー被害に悩んでいた

川野さんは事件前、“元カレ”のストーカー被害を警察に繰り返し相談していた。

川野さん:
交際相手に別れを告げたのに、何回も電話がかかってきて、職場で待ち伏せされている。

川野さんの親戚:
ストーカーの(話を)3回くらい警察に相談していた。11月、最近のこと。

Q.相手は?
川野さんの親戚:
1年ちょっとぐらい付き合ったんじゃないかな。

関係者によると、川野さんと寺内容疑者は同じ飲食店グループで働く中で交際に発展。しかし、このグループでは従業員同士の恋愛は禁止されていた。

川野さんの知人:
コロナ前かな?(交際相手が)いるようなこと言ってたけど。その後、東京にお友達の結婚式で出てきて食事した時には、そういう男性の話はしなかったかな。

取材によると、束縛が強かったことなどから川野さんは別れを切り出した。その後、寺内容疑者は店を解雇され、川野さんを逆恨みして“つきまとい行為”をするようになったという。

警察によるつきまといの禁止命令も…寺内容疑者の素顔とは

川野さんは2022年10月ごろから、警察に数回相談しており、11月には寺内容疑者に対して、ストーカー規制法に基づく、つきまといの禁止命令が出された。寺内容疑者の自宅アパートには警察官が訪ねてきたという。

寺内容疑者と同じアパートの住人:
去年の10月とか11月とか、それくらいに。(警察が)隣の方についてお伺い「知りませんか?」「最後に見たのはいつですか?」とか。

寺内容疑者はどんな人物なのか。

寺内容疑者の知人:
超イケメンで1回だけ話したことがあるんですけど、そのときは普通に優しそうな感じで。でも、たまにちょっと酔っぱらったらかな。廊下でけんかしてるようなこともあったり…。

取材によると、寺内容疑者は大阪出身。数年前に福岡に移り住み、九州最大の繁華街・中洲の飲食店グループで働いていたという。

寺内容疑者の知人:
(店は)お酒ついだり、おしゃべりしたり。ボーイズバー的な感じで。大阪から所持金1万円だけ持って目的もないのに博多に来たってことは聞いた。

事件後に行方が分からなくなっていた

寺内容疑者は今回の事件後に所在がわからなくなっており、指紋が現場付近から検出されたことから、捜査本部が行方を追っていたが、18日に殺人容疑で逮捕した。

警察によると、福岡市博多区の路上で、寺内容疑者がひとりで歩いているのを警察官が見つけて、任意同行を求め、博多署で事情聴取を行っていた。その後に逮捕状をとった。警察は事件のいきさつを詳しく調べる方針だ。

(「イット!」1月18日放送より)