回転寿司チェーン「かっぱ寿司」の長野県内店舗の人気メニューの上位を見ると、1位は「サラダ軍艦」。実は「サラダ軍艦」が1位となるのは長野県だけだ。長野からスタートした「かっぱ寿司」でサラダ軍艦の歴史と人気の理由に迫った。
「サラダ軍艦」が不動の人気1位
レーンで運ばれてくるさまざまな寿司。
子ども:
おいしい
多くの客でにぎわうランチタイムの「かっぱ寿司 須坂店」。現在は季節の品やサイドメニューを含め190種類ほどを提供している。その中で、抜群の人気を誇る「寿司ネタ」がある。
客:
安定したおいしさじゃないですかね
客:
ごはんとマヨネーズとおしょうゆの兼ね合いがベストマッチ
かっぱ寿司 須坂店・町田青店長:
圧倒的にサラダ(軍艦)ですね
マヨネーズベースのあえ物がのった軍艦巻き。「サラダ軍艦」だ。
運営会社「カッパ・クリエイト」によると、「サラダ軍艦」は、全国のランキングでも4位の人気メニューだが、県内ではまぐろやはまちを抑えて堂々の1位。
15年前のNBSの情報番組「土曜はこれダネッ!」で紹介したランキングでも…
(「土曜はこれダネッ!」より)
さて、気になる第1位は…サラダとなりました
「不動の1位」とも言えそうだ。
須坂出身の父親:
はい、来たよ、来たよ
こちらは群馬から帰省していた家族。須坂出身の父親は、もちろん、「サラダ軍艦」好きだ。
須坂出身の父親:
うまいっすね。なんとも言えないですね、はまっちゃいます
この日、初めて「サラダ軍艦」を食べた子どもたちは…
須坂出身の父親:
うまいだろ?はまるだろ?
子ども:
おいしかった。マヨネーズがサラダみたい
群馬出身の母親は…
群馬出身の母親:
(夫が)いつも頼んでるなと見てたけど、(最初は)食べようとは思わなかった
須坂出身の父親:
おみやげに「サラダ」を詰めて、持ってきてくれるんですよ
こちらは姉妹で来店。「サラダ軍艦」の「味変」を楽しんでいた。
まずは、わさびをのせてしょうゆを少々ー。
続いてはー
姉妹で来店(妹):
直接サラダにガリのせるじゃないですか。穴子の甘いたれあるじゃないですか、これをちょっとかけるんですよ。そのままでも食べるし、いろんなパターンでサラダ軍艦楽しむのが好き
姉は「サラダ軍艦」をお持ち帰り。
姉妹で来店(姉):
(家で)冬休みの宿題を頑張っている子どものために持って帰る。(子どもも)大好きですね。これを励みに宿題していると思う
祝い事や盆・正月には「サラダ軍艦」の大皿の注文が増えるそうで、この「大みそか」も…
かっぱ寿司 須坂店・町田青店長:
(大みそかは)うちのお店で、皿数で約5000皿(1万貫)くらい注文いただいた。すごいですね…
長野県民が熱く支持
街でも聞いてみた。
40代:
子どもも好きで、奥さんも好きです。意外にマヨネーズが邪道っぽいけど合う、それがいい
10代:
好きです。イカが入ってる。マヨネーズ好きなので、好きです
10代:
僕はサラダ好きですね
10代:
僕もサラダですかね、やっぱり
30代:
かっぱ寿司といったらサラダ軍艦なので、けっこう具だくさんというか、食べ応えがあるというか、味もおいしい
「県外」の人は…
40代(北海道出身):
おいしくないことはないけど、自分は長野出身じゃないので、長野の人はけっこう食べるって聞いて「へぇ~」て感じで1回食べてみた
60代(東京出身):
論外ですね。お寿司じゃないと思っている
やはり、熱愛ぶりは県内に限った傾向のようだ。
現在は回転ずしに限らずスーパーやコンビニ店でも売られているが、街では「サラダ軍艦」と言えば「かっぱ寿司」という声も多く聞かれた。
食材はイカゲソと魚のすり身とマヨネーズ
かっぱ寿司の創業はちょうど50年前の1973(昭和48)年。創業者が「回転寿司の魅力を海なし県で広めたい」と長野市に1号店をオープンさせた。当時は、水に浮かべたおけに寿司をのせて流していた。
サラダ軍艦の登場は1984年。実は「まかない」の一つだったが、そのおいしさから商品化したそうだ。気になる中身は…。
かっぱ寿司 須坂店・町田青店長:
使用されている食材は、ゲソと魚のすり身とマヨネーズ
食材は、ゆでたイカゲソと魚のすり身とマヨネーズ。現在は入っていないが、かつては刻んだキュウリも入っていて、それが名前の由来になったとみられる。
これらの「食材」が長く県民に支持されてきた理由ではないかとみられている。
かっぱ寿司 須坂店・町田青店長:
長野県は生魚になじみのない地域、海がないのでなじみがない地域ということと、野菜摂取量の全国1位というのが、関係あるかもしれません
かつて山国・信州では海の生魚が入手しづらく「ちくわ」や「塩丸いか」といった加工品が長く好まれてきた。ゆでたイカゲソなどが入った「サラダ軍艦」は、まさに慣れ親しんだ味だったのだ。
さらに信州は野菜摂取量が全国トップクラス。野菜好き・サラダ好きの県民に受け入れられたと考えられる。
食べ継がれて、およそ40年。「熱愛」の理由を探ると信州の食文化が見えてきた。
家族で来店(須坂出身の父親):
食感もいいし、マヨネーズの味と酢飯がめちゃくちゃ合う。小さいころから食べているので
姉妹で来店(姉):
かっぱ寿司の看板見るとサラダ軍艦の味がしてくる感じ(笑)
かっぱ寿司 須坂店・町田青店長:
創業の地でもありますし、わさびをつけたり、甘だれつけたり、いろいろな食べ方で楽しめるので、長く愛していただければいい
(長野放送)