登山道にある岩や木に矢印などの“黄色いマーク”が書かれているのが何カ所も確認され、関係者らが頭を痛めている。

登山道に現れた謎の“矢印”

登山道を進んだ先にあったのは、岩に書かれた黄色いマーク。手のひらサイズの大きさだ。

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黄色いスプレーのようなもので付けられたこのマークは、福岡県内の山で見つかった。

福岡県嘉麻市にある、通称“嘉穂アルプス”は、標高900メートル前後の馬見山・屏山・古処山が連なり、初心者にも登りやすいと人気を集めている。

その嘉穂アルプスの一つ、馬見山に向かった。登山口にある大きな岩にも、“黄色のマーク”が書かれていたという。

嘉穂三山愛会・伏貫大輔さん:
こちらに黄色の塗料で矢印が書かれていた。

黄色のスプレーのようなもので、岩に直接描かれたとみられる矢印。長さは約20センチだ。

この矢印は、2022年11月末に登山者からの報告で判明した。登山道を確認すると、同じような矢印やマークが30カ所近くもあったという。

登山道をさらに進むと、まだ消されていなかった黄色いマークが残っていた。

嘉穂三山愛会・伏貫大輔さん:
このマークを付けている岩に、長年かけて育ったコケが生えているが、それごとペイントされている。これも一つの環境破壊。

油性の塗料は簡単に落ちないため、溶剤などを使う必要がある。でも、そうするとコケごと落ちてしまうという。

遭難事故につながるおそれも

こうした被害は他にもあった。

嘉穂アルプスの一つ、古処山の登山道では、約90カ所で同じような矢印やマークが確認されている。

さらに、大分県と宮崎県の県境に広がる夏木山でも見つかった。

1月16日に撮影された写真には、木に黄色いマーキングがあり、確認できただけでも20カ所近くあったという。

しかし、今回見つかった黄色いマーキングは、特別保護区ではないなどの理由で被害届は出せない。

一方、こうしたマーキングは、遭難などを誘発する危険もあるとの指摘もある。

嘉穂三山愛会・伏貫大輔さん:
動く石に関しては、あらぬ方向に矢印が向いてしまうという可能性があります。あとから来た登山者が見て、最悪、遭難という一番あってはいけない事故につながると思います。

登山人気が高まる中、有力な対策もなく、関係者らは頭を痛めている。


(「イット!」1月17日放送より)