「多くの野生動物は絶滅に向かうと止められない。ヤンバルクイナは小さな鳥ですが、これを失うことの意味は、沖縄のアイデンティティに関わる問題。心の中の誇りを失ってしまいます」
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こう話すのは、NPO法人「どうぶつたちの病院 沖縄」理事長の長嶺隆さん。
沖縄の農家に生まれた長嶺さんは、無類の野鳥好きだった。
日本で唯一の“飛べない鳥”を守る
沖縄本島にある世界自然遺産「やんばる国立公園」の原生林で、ヤンバルクイナが発見されたことをきっかけに、長嶺さんは獣医を目指して上京した。
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1982年にヤンバルクイナは天然記念物に指定される。
しかし、この20年ほどで生息数は激減してしまった。
1985年に1800羽ほど確認されていたのが、2005年には700羽ほどまで減少してしまい、絶滅が危惧されるような状況に。
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沖縄に戻った長嶺さんは、獣医をしながら仲間を集めて保護活動をはじめた。
飛べない鳥のヤンバルクイナは、人間が放したマングースや猫に襲われたり、交通事故も年間30件ほど起きている。
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交通事故で脊髄を損傷したり、草刈り機で両足を切断するなど、瀕死の重傷を負うケースも少なくない。
長嶺さんたちは、傷付いたヤンバルクイナを24時間体制で救護し、治療やリハビリをして森に帰している。
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また、自治体と協力して道路にドライバーに注意を促す看板を設置したり、溝に落ちたヒナが脱出できるよう階段をつけた。
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さらに人工ふ化にも成功し、多くの関係者の努力で生息数は推定1500羽まで回復。
日本で唯一の飛べない鳥を守る決意を世界に示した。
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長嶺さんは、「何としてでも絶滅だけは避けたい。沖縄の自然だったり、沖縄の人の心から教わりながらこの島に生きる美しい生き物たちを次世代に渡したい」と話した。
NPO法人どうぶつたちの病院沖縄
www.yanbarukuina.jp
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