初めて通る人は、一瞬パニックになるかもしれない「ややこしい道路」。そこには事故の危険も…。

交通量の多いバイパス 合流待ちであわや衝突

取材班がまず訪れたのは、神奈川県大磯町。ここに、なかなか合流できない道路があった。

(神奈川・大磯町)
(神奈川・大磯町)
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その道路は、西湘バイパス。大磯町から小田原市を結ぶ自動車専用道路だ。合流しづらいその理由が…。

取材班:
西湘バイパスに合流するには、直角に曲がらないといけないようです。

この場所からバイパスに合流するには…
この場所からバイパスに合流するには…

この場所からバイパスに合流するには、まず直前で一時停止。

車の流れが止まってから曲がらなければならない
車の流れが止まってから曲がらなければならない

車の流れが止まってから、直角に曲がらなければならないのだ。

交通量の多いバイパス
交通量の多いバイパス

しかし、バイパスの交通量は多く、制限速度の60km/hを遙かに超える車もチラホラ見られる。そのため、合流する時にはヒヤッとする危険な瞬間も。

オレンジの車の後方から…
オレンジの車の後方から…

バイパスに入ろうとするオレンジの車。合流のタイミングを伺っていたその時…。

後ろから来た車と衝突寸前
後ろから来た車と衝突寸前

取材班:
危ない!危ない危ない!

後ろから来た車と衝突寸前。一歩間違えば大事故だ。

赤い車がバイパスへ入ると
赤い車がバイパスへ入ると
後ろから来たトラックが、バイクと車の間に素早く入る
後ろから来たトラックが、バイクと車の間に素早く入る

さらに赤い車がバイパスへ入ると、後ろから来たトラックが慌てて車線変更。バイクと車の間に素早く入る。

危険が潜む合流地点。タイミングが悪ければ、なかなか合流できない。

ドライバーの目線ではどのように見えているのか?時間を計りながら、車で通ってみると…。

ドライバーの目線ではどのように見えているのか?
ドライバーの目線ではどのように見えているのか?

バイパスは車からは直角のため、先が見えない。車の通りも多く、簡単には合流できない状況。

車の通りも多く、簡単には合流できない
車の通りも多く、簡単には合流できない

取材班:
(車が)途切れないと…。

タクシー運転手:
そうですね、危ないですね。完全に切れた状態じゃないと。

さらに。

取材班:
柱もあって、見通しもちょっと怖いですね。

タクシー運転手:
そうなんですよね。これが行ったあとは大丈夫ですね。

合流まで39秒かかった
合流まで39秒かかった

ようやく合流できたが、かかった時間は39秒。

タクシー運転手:
直角に出なきゃいけないから。ある程度、完全に見えなくなった時じゃないと怖いですよね。

西湘バイパスを管理する横浜国道事務所は、これまで事故も起きていないことから、今後も合流レーンを作る予定はないとしている。

合流する際にはバイパスを走る車をよく見て、無理な合流はしないよう呼びかけている。

大量の車線と矢印標識 「対面走行」の側道も

続いて訪れたのは、宮城県仙台市。ここに日本最大級の交差点があった。

取材班:
こちらの道路、7車線もありますね。右折の車線だけで3つもあります。

右折車線が3つに直進車線も3つ(宮城・仙台市)
右折車線が3つに直進車線も3つ(宮城・仙台市)

右折車線が3つに直進車線も3つ、片側だけで7車線もある。

交差点に入る全ての道路に大量の車線が
交差点に入る全ての道路に大量の車線が

しかも、車線が多いのはここだけではなく、交差点に入る全ての道路に大量の車線が。

このデカすぎる交差点を真上から見てみると、なんと全部で42の車線がある。

この日本最大級の交差点は、国道4号の仙台バイパスにある「六丁目交差点」。

実は、宮城県内で8年連続“危険な交差点”ワースト1位となっている場所だ(日本損害保険協会より)。

その怖さを近隣の人はこう話す。

「ぶつかってる音が聞こえたり、炎上しているという話もあった。慣れた方しか走れない」
「ぶつかってる音が聞こえたり、炎上しているという話もあった。慣れた方しか走れない」

近隣女性:
ちょいちょい、ぶつかってる音とかは聞こえて。炎上している、燃えたみたいな話もあって。免許取りたての人は、ここは絶対通りたくないって。慣れた方しか走れないみたな感じではある。

「事故は昔から多い。以前は毎週のように横転したのを助けていた」
「事故は昔から多い。以前は毎週のように横転したのを助けていた」

取材班:
事故多いですか?

近隣男性:
昔から、今も多いです。前は大げさかもしれないけど、毎週毎週やってました。横転したのを助けたりとか。慣れない方が多いので、自分が向かいたい方向の道のイメージが掴みづらいんだと思います。

交通量が多く、事故が多発
交通量が多く、事故が多発

交通量が多いため、車両同士の接触事故や左折する時に歩行者とぶつかってしまう事故が多発。加えて大量の矢印の標識に慣れていない人は困惑するという。

大量の矢印の標識に慣れていない人は困惑するという
大量の矢印の標識に慣れていない人は困惑するという

実際に車で通ってみると…。

取材班:
車線変更は結構大変ですか?

タクシー運転手:
あらかじめ行き先をある程度、頭に入れてないと。

取材班:
観光でレンタカーで来た人とかは。

タクシー運転手:
いますいます。突然、右に曲がってきたりとか。

これも初めての人を驚かせる
これも初めての人を驚かせる

さらに、初めての人を驚かせるものがもう1つ。国道の横にある側道だ。

一見すると一方通行に見えるが…
一見すると一方通行に見えるが…

一見、一方通行に見えるが実は「対面走行」。本線とは逆方向に進むことができるのだ。

本線とは逆方向に進むことができる
本線とは逆方向に進むことができる

近隣男性:
知らない人は、たまにうわぁ!って。逆走してると思ってビックリする人がいるよ。

この光景を初めて見た人はビックリするという。

この道路について仙台市は、事故防止対策として信号機の改良や路面標示、看板設置による注意喚起などを行っている。

なぜ?狭すぎる道路に車両向け標識

続いて訪れたのは、東京都足立区の北千住。狭い路地を歩いていくと見えてきたのが…。

(東京・北千住)
(東京・北千住)

取材班:
狭い道に標識が立っています。

なんと、この狭い道に車両向けの標識が立っていた。

狭い道幅がさらに狭く
狭い道幅がさらに狭く

しかもよく見ると、標識の位置は道の少し内側。狭い道幅をさらに狭くしている。

標識は直進と右折を指しているが…
標識は直進と右折を指しているが…

標識は直進と右折を指していますが、直進の先の道もまたかなり狭い。

これで車は通れるのか?近くのお店の人に話を聞いた。

車が通るのは「見たことないです」
車が通るのは「見たことないです」

取材班:
実際、車は通るんですか?

近隣男性:
見たことないです。原付くらいですね、通るのは。

車が通れるとは思えない
車が通れるとは思えない

取材中も通るのは歩行者や自転車のみ。どう見ても車が通れるとは思えない。

そこで、道幅を測ってみた。標識が置かれている道幅は…。

道幅を測定
道幅を測定

取材班:
だいたい1m20cmくらいですね。

なんと、たったの1m20cm。狭すぎる。

この狭すぎる道路について、足立区は「元々、この道路は道幅が狭く、マンションを建てた際に道幅を広げ、現在の形になった。標識については、車は想定しておらず、バイクのために設置した」としている。

ナビで案内されても要注意!初めて通る道路は、十分気をつけてほしい。

(「イット!」1月11日放送)