2024年春に迫った北陸新幹線の福井延伸に向け、県内の企業は、福井ならではの土産品や贈答品の開発に取り組んでいる。福井市の紙製品の企画・製造を手掛ける企業もその一つで、製品は商品の価値を引き立てる「包装箱」だ。

商品価値を高めるパッケージを目指す
アジアに生産拠点を持つ総合製紙メーカー(東京)の社長が福井市内のショールームで話を聞いているのは、多種多様な「箱」についてだ。

店内には、ボール紙や和紙など700種類以上の紙があり、200色のカラーサンプルを用意。これらを組み合わせることで、様々な形状の箱をはじめ、包装、瓶の帯、手提げなどをつくることができる。

紙製品の企画・製造を手掛ける福井市の「ペーパージャック」は2022年9月、商品のパッケージをトータルプロデュースする「HAKO&(ハコ アンド)」を立ち上げた。新商品やイチオシ商品を入れる包装箱やパッケージを製作・販売する。

大谷佳史社長:
パッケージの需要が、コロナ前から高まりを感じていた。福井のいいものはたくさんある。伝統工芸品やおいしい食材もある。そういうものを全国に発信していこうとみんな考えている中、われわれは、パッケージという視点から商品の価値を高めていきたい
発注から納品をワンストップで
ペーパージャックは、創業70年を超える福井市の紙商社「ダイゲンコーポレーション」の関連会社として立ち上がった。

北陸新幹線の福井延伸を大きなビジネスチャンスと捉えている。この紙のプロ集団は、発注を受けてから納品までのスピード感をなにより重視する。

大谷佳史社長:
デザイナーも常時いるし、紙のプロのスタッフもいる。スタッフと一緒に、商品のパッケージを具体的なものを見ながら決めていける。企画デザインから納品までワンストップで注文できるのが強み。うまくいけば、ここで商談している間にサンプルができて、実際に中にものを入れて確認してもらえる

店をオープンすると同時に新しいデザインソフトを導入し、印刷機械も更新した。起業して間もない個人事業主の少ない量の注文にも、スピーディーに対応できる。

大谷佳史社長:
紙にいかに付加価値を乗せてお客さまに提供していくかが課題となる。一つの武器として自社でデザインできるのが大きな特長

全国的にも珍しい事業で、県内外の企業が視察に訪れている。
大谷佳史社長:
これから世の中に出ていく商品の価値をお客さまと一緒に高め、ブランディングしていけるかが課題となる。将来的には日本全体に名前が広がり、数多くのパッケージを手がけられればいいと思う

売りたいモノの価値を何倍にも高めるすてきなパッケージ。企業のブランド戦略を後押しする“神サービス”を目指す。
(福井テレビ)