悲願のJ3優勝・J2昇格を決めたいわきFC。今後は試合数も増え、チームの増強はもちろん財政面やハード面の整備も必要になる。チームは、地域全体で戦い抜く体制を目指している。
チームも”J2仕様”へ
いわきFCの超攻撃的サッカーに魅せられ、2022年シーズンはのべ3万6960人がホームゲームを観戦した。サポーターの期待が高まるJ2での戦い。ただ、これまでとは違う戦いも待っている。

いわきスポーツクラブ・大倉智社長:
チームがすごく結果を出していて、会社の方はそれにどっちかというと追いついていないみたいなね。そこはチーム強化と同時に、フロント強化っていうのはバランスよくやるっていうのは来年かなって思っています

いわきFCを運営するいわきスポーツクラブの大倉智社長は「J2仕様へ」変革の必要性を感じていた。

いわきスポーツクラブ・大倉智社長:
これがまたステージあがると、さらにお客様が入ってくるので。とてもじゃないけど、今の会社のフロントの人数もそうだし、考え方もそうかもしれないけど、もう一回自分たちでリセットして、組織を少し変えていかないと

収益確保も課題に
J2にはJ1を経験したクラブも多く、財政規模はJ3とは大きく差がある。豊富な資金力をいかし、海外を含めて有力な選手を獲得するクラブも決して少なくない。
Jリーグが公表している2021年度の各クラブの人件費によると、いわきFCはJ2平均の約3分の1。(いわきFC:2億2000万 J2平均:6億6300万)
人件費を増やしていくためには、スポンサー収入を含めた収益の確保が必要で、運営の強化も求められることになる。

いわきスポーツクラブ・大倉智社長:
やはりJ1にいたチームとか親会社がしっかりしているとか、いろんな意味で差が非常にあるリーグだと思う。当然、会社としてもそこに追いつく努力をしないといけないと思うけれども、でもだからと言って、勝つか負けるかっていうのはまた別の問題だと思っているので。だからそこへの挑戦でもあるので、本当の意味でなんて言うのかな、「チャレンジャブル」な1年になるんだろうな

地域を巻き込み熱狂空間を
J2の試合数は42でJ3から8試合増加。チームが目指すのは地域全体で戦い抜く体制だ。

いわきスポーツクラブ・大倉智社長:
スポーツの力ってすごいよなっていうところを、地域の人々にもっと実感してもらうとか。その「熱狂空間」を中もそうだし、外もそうだし、どうやって作り上げたらいいのかっていうところは、いまみんなで頭を整理しながら、知恵を絞っているところなので

来シーズンの新たなホームスタジアムとなるのが「いわきグリーンフィールド」 収容人数が2300席から5030席に改修され、生まれ変わる。

いわき市ではチームと協力し、J1昇格の基準を満たす新たなスタジアムの建設計画の策定も始めている。

地域を盛り上げ、人を育み、復興を支えていく。いわきFCの無限の可能性への挑戦はまだまだ道半ば。「浜を照らす光」として走り続けたその先に…「新たな景色」がきっと待っている。

(福島テレビ)