唯一の女性社員として活躍 先輩社員も評価

福島県内の大学を卒業後、林業の道を選び活躍する女性がいる。「誰もやらないなら、私がやらなければ」と語る女性の、林業への思いを取材した。

チェーンソーで木を伐採する小室芽美さん(23)。

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小室さんは、2021年の春に福島県内の大学を卒業し、木材の切り出しや山の管理を行う福島・古殿町の「水野林業」で、唯一の女性社員として働いている。

先輩社員と木の伐採作業を行う小室芽美さん
先輩社員と木の伐採作業を行う小室芽美さん

小室芽美さん:
木をそばに置きながら、人が生活する手助けをできていることが、すごくうれしいと思っている

この日は郡山市で、大雨が降ると倒れる恐れがある木の伐採作業。

伐採を依頼した人:
すごく大きくなって、もし根元から倒れたら家に当たってしまうかもと考えていた

腕力が必要な時には、男性社員の助けも借りるが、その気配りや仕事の進め方などは、早くも評価を受けている。

先輩社員:
枝が立っているのを率先して切ったり、次に作業する人が楽なように、危険がないようにという作業を言わなくてもできるのが一番いいと思う

「私がやらなきゃ」担い手不足に危機感

小室さんは、幼いころから環境問題に興味を持っていたことから、林業の仕事を選んだ。

小室芽美さん:
森って、一瞬じゃ作れないものだと思う。壊すのは一瞬でできるけど

小室芽美さん:
だから、本当に時間をかけて守っていく価値のあるものだと、私はすごく思っていて。心の底から自分が残したいものに命を懸けてみようというか、時間を使いたいなと思って、林業を選んでみた

さらに、もう1つ理由がある。

小室芽美さん:
誰もやらないなら、私がやらなきゃという気持ちはありました

1960年度に福島県内で林業に従事していた人は、1万4,200人余り。国産材の価格下落による待遇の悪化や、労災事故が相次いだことなどが影響して、大幅に減少した。

福島県内の林業就業者数(福島県森林・林業統計書)
福島県内の林業就業者数(福島県森林・林業統計書)

小室さんが勤務する水野林業の3代目・水野廣人さんも、担い手不足に危機感を抱く1人だ。

水野林業3代目・水野廣人さん
水野林業3代目・水野廣人さん

水野廣人さん:
やっぱり原因としては、林業のイメージが悪い。「3K」と言われる。きつい・汚い・危険

水野さんは、家業でありながら良い印象が持てず、いったんは別の業界で就職。
跡を継ぐことを決めて働き始めると、やりがいや必要性に気付き、林業のことを多くの人に知ってもらいたいと思うようになった。

水野廣人さん:
林業は、かっこいい仕事だと思ってほしい。そのために山側から皆さんに届くように発信していくことが重要だと思うので、やれることを考えて今後やっていきたい

「人と森の共生の手助けを…」

林業を知ってもらおうと、自社製品の開発や販売も行う水野林業にとって、業界でも数少ない女性の担い手である小室さんは、大きな存在だ。

水野廣人さん:
林業の常識を変えてほしいなと思う。今までは男性主流だったイメージが、女性でもできると。若い力・アイデア含めて、新しい林業を作ってほしい

その思いは、小室さんも共有している。

小室芽美さん:
女性・男性に関わらず、林業に携わる人が増えるとすごく心強いと思いますし、人と森とが共生するのを手助けできるような木こりになりたい

小室芽美さん:
日本の森は、本当に面積が広いので、多くの人と支え合って、次の世代に引き継いでいきたいです

同じ志を持つ仲間が増えることを待ちながら、小室さんは、きょうも山へ向かう。

(福島テレビ)