子供の歯磨きで苦労した経験はないだろうか。石川県内の企業が開発した歯ブラシが、国内だけでなく世界中で注目されている。開発した経緯や工夫したポイントを取材した。

子育て家族では常識⁉なアイテム

金沢市内のクリニック。

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歯医者を訪れていた、小さな子どもを持つ親に話を聞いてみると…

保護者:
知ってます。生まれたとき子供のお祝いでいただきました。子供生まれたら買わんなんって思うくらい結構常識だと思っていました。

子育て中の家庭で「常識」と言われている商品が、こちら!

「HAMICO(はみこ)」だ。

カラフルなデザインと丸い持ち手が特徴で、3歳までの子ども用に作られた歯ブラシ。

子育て中の親が使ってよかったと思う商品などに投票して選ばれる2022年の「マザーズセレクション大賞」を受賞した。

一本の歯ブラシに様々な工夫

この歯ブラシを開発したのは石川県の企業。

きっかけは、こんな思いからだった。

ホクビ 佐藤優子(さとうゆうこ)専務:
自分の子どもが生まれてきた時に歯みがきってどうしたらいいんだろう、何使えばいいんだろうっていう思いになりました。

ホクビ 佐藤専務:
中には股の間に子供の頭を挟んで羽交い絞めにして磨いていて、泣き叫ぶわが子を見ながら親もつらい思いをしながら磨いているっていう状態だったので…。それは子供は歯磨き嫌いになるよな、これは何とかしないといけないなという風に思って開発しました。

子どもに歯磨きを好きになってもらいたい。HAMICOには様々な工夫が施されている。例えばこのブラシ。赤ちゃんが痛みを感じないよう細く柔らかい毛が使われている。そして、丸い持ち手にはこんな配慮が…

佐藤さん:
子供が歩き出したりしますと、歯ブラシを加えたまま歩いてこけてのどを突く事故ってのが起きてしまいますので、それを未然に防ぐためにリング状にして、ここまでしか喉に入らないようになっています。

この商品は、白山市の歯愛メディカルと2年ほどかけて共同開発したもの。保育園に何度も通い、どうしたら子供が口に含んでくれるか試行錯誤したそうだ。

2016年に発売すると、口コミで人気が爆発。今では年間60万個を売り上げ、アメリカや中国など海外でも販売されている。

おもちゃ感覚で歯磨き習慣を

1歳2カ月の梨乃(りの)ちゃんを育てる寺井奈津(てらいなつ)さん。友人からプレゼントされ3カ月ほど前からHAMICOを使っている。

HAMICOユーザー 寺井奈津さん:
渡すとすぐ口に入れて、汚れは完璧には落ちないですけど、仕上げでこういう風にやってあげるのも嫌がらなくなったので結構歯みがきとしては成り立ってきてるかなと思います。

梨乃(りの)ちゃんにとって、HAMICOはおもちゃと同じ感覚だ。

歯科医師も太鼓判を押している。

デンタルクリニック 宮内康範(みやうちやすのり) 院長:
まずは口に触られるところに慣れていくことが大切で、きれいにするっていうよりは歯磨きを生活習慣にしていくところに重きを置いてもらいたいかなという風に考えています。

世界中の子育て世帯を応援するHAMICO。

ホクビ 佐藤専務:
お父さんもお母さんも赤ちゃんも笑顔の楽しい歯磨きタイムっていうのを体験してもらって、そして楽しい歯磨き習慣というのを身に付けていってほしいなという風に思います。

HAMICOは全国の雑貨屋さんやHAMICOのオンラインショップで購入(1本税込660円)できる。子どもの歯磨きに苦戦している世のお父さんお母さん、歯磨き習慣の第一歩として試してみてはいかがだろうか。

(石川テレビ)

石川テレビ
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