天皇皇后両陛下の長女・愛子さまは、きょう、21歳の誕生日を迎えられた。誕生日に先立ち、宮内庁は、愛子さまの近況を明かした。以下、全文。(誕生日前に明らかにされた近況を、原文のまま掲載します)

愛子内親王殿下には、まもなく満21歳のお誕生日をお健やかにお迎えになります。

昨年12月1日にご成年をお迎えになった後、12月5日に、天皇陛下からの勲章親授、勲記伝達、天皇皇后両陛下へのご挨拶、皇族祝賀など、宮殿でのご成年行事に落ち着いたご様子で臨まれました。また、この日には仙洞仮御所に上がられ、上皇上皇后両陛下へ成年の御挨拶をなさいました。

11月21日撮影(皇居・車馬課主馬班厩舎)宮内庁提供
11月21日撮影(皇居・車馬課主馬班厩舎)宮内庁提供
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宮内庁提供
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年が改まった令和4年には、成年皇族として、新年祝賀の諸行事に初めて参列されました。また、歌会始には、学習院女子高等科2年生の夏にイギリスのイートン校に短期留学された時のお気持ちをお詠みになったお歌を、初めてご詠進になりました。

3月17日には、ご成年につき記者会見に臨まれました。原稿をご自身で長い時間をかけてご準備になり、記者会見直前まで推敲されて練習なさっていました。記者会見では、緊張されながらも、原稿に目を落とさずに、一つーつの質問ににこやかにお答えになりました。

ご成年諸行事や記者会見など、初めての行事が多くありましたが、行事でのご所作などについて天皇皇后両陛下にもお聞きになりながら、心を込めて準備をされ、臨まれました。

愛子さまは、3月17日、成年皇族として、初めての記者会見に臨まれた。
愛子さまは、3月17日、成年皇族として、初めての記者会見に臨まれた。

成年皇族になられ、賢所における宮中祭祀にもご参列になりました。学業の状況を勘案しながら、昨年12月25日に初めて大正天皇例祭にご参列になったのを始め、年明けには、元始祭、昭和天皇祭、春季皇霊祭·神殿祭、神武天皇祭にご参列になりました。ご参列にあたっては、事前に両陸下からご所作などをお聞きになって臨まれました。

本年も、阪神淡路大震災の発生した1月17日と東日本大震災の発生した3月11日、6月23日の沖縄慰霊の日、8月の広島·長崎原爆の日、終戦記念日に黙祷をなさいました。また、昨今毎年のように発生する、地震や洪水などの自然災害により被災された方々にも、心をお寄せになっていらっしゃいます。

愛子さまにとって新年祝賀の儀が公務デビューとなった(1月1日)
愛子さまにとって新年祝賀の儀が公務デビューとなった(1月1日)

内親王殿下には、4月から、学習院大学の文学部日本語日本文学科の3年生になられました。新型コロナウイルス感染症の感染状況に鑑みて、大学の授業は引き続きオンラインで受講されており、日々課題やレポートなどに取り組まれています。3年生になられて、より専門的な授業を受講されるようになり、『源氏物語』、『新古今和歌集』、『宇治拾遺物語』、『平家物語』、中世王朝物語、『奥の細道』を始めとする江戸時代の文学など、様々な古典を学んでいらっしゃいます。そのほか、日本語史や日本史などの授業も受講され、ーつ一つの課題に真摯に向き合っていらっしゃいます。

今年は、沖縄復帰50周年の年に当たり、5月に天皇皇后両陛下がご臨席になった50周年記念式典をテレビでご覧になりました。内親王殿下には、かねてより、平和の大切さについて思いを巡らしてこられ、本土に復帰して50年を迎える沖縄にご関心をお持ちであったことから、この記念式典に先立ち、天皇陛下から、陛下が小学生の時に「沖縄豆記者」からお受け取りになった沖縄の歴史に関する本をお借りになってお読みになり、沖縄の歴史への理解を深められました。

2016年8月、東宮御所で「沖縄豆記者」と交流される愛子さま
2016年8月、東宮御所で「沖縄豆記者」と交流される愛子さま

5月から6月頃にかけての皇后陛下の御養蚕の間には、天皇陛下とご一緒に紅葉山御養蚕所にお出ましになり、お三方でご給桑や上蔟、繭掻きなどの作業をなさる機会もありました。また、御所においても、例年同様に蚕を飼育されました。卵からふ化して蚕になり、繭を作って成虫になる過程を見守られながら、大切に飼育されました。

9月には、イギリスのエリザベス女王陛下が崩御されました。内親王殿下には、学習院女子高等科2年生の夏にイギリスのイートン校へ短期留学をされた際にご見学になったウィンザー城や、楽しくお過ごしになったご滞在期間の思い出などを思い起こされながら、エリザベス女王陛下に心からの哀悼の意を棒げられました。天皇皇后両陛下がイギリスにご出発になるのをお見送りになった後、国葬の様子などをテレビ等でご覧になり、両陛下ご帰国後には、イギリスでのお話を色々とお聞きになりました。

エリザベス女王国葬に出発される両陛下。愛子さまは、御所でお見送りをされた(9月17日)
エリザベス女王国葬に出発される両陛下。愛子さまは、御所でお見送りをされた(9月17日)

今年、天皇皇后両陛下には、新型コロナウイルス感染症の感染状況に留意されながら、都内や地方への行幸啓に多く臨まれましたが、内親王殿下には、両陛下がお出ましのご準備をなさる様子をご覧になりながら、行幸啓がつつがなく行われることをお祈りになっていらっしゃいました。両陛下のお帰り後には、各ご訪問先での出来事などについて興味深くお聞きになりました。

両陛下には、10月に沖縄県を行幸啓になった折に、平成28年に東宮御所にてお三方でお会いになった、当時の「沖縄豆記者」の皆さんと再会なさいました。内親王殿下には、今回のご訪問の前に、当時の豆紀者とのお会いについて両陛下とお話しになったり、両陛下お戻り後に、豆記者の皆さんが立派に成長された様子をお聞きになったりされ、懐かしく思われました。そして、両陛下からこの度のご訪問のお話をお聞きになり、沖縄への理解や平和への願いを新たにされました。

11月、内親王殿下には初めて楽部にお出ましになり、秋季雅楽演奏会をご鑑賞になりました。昨年度、大学で日本の伝統芸能についての授業をお受けになり、その中で雅楽についても学ばれる機会がありましたので、演奏会の前には、その時の授業の教材やノートを見返されるなどして、楽しみにお出ましになりました。この演奏会では、令和元年秋に行われた大嘗祭「大饗の儀」で演じられた主基地方の風俗舞もご覧になりました。令和元年当時は、まだ未成年で大響の儀に参列されなかった内親王殿下には、宮中で長く伝承されてきた伝統芸能に直接触れられ、その荘重な音色を生でお聞きになれたことをお喜びになっていました。

雅楽を鑑賞される愛子さま。佳子さまと「いとこ同士」のツーショットとなった(11月7日)
雅楽を鑑賞される愛子さま。佳子さまと「いとこ同士」のツーショットとなった(11月7日)

また、下旬には、東京国立博物館で創立150年を記念して開催されている特別展を両陛下とご一緒にご覧になり、貴重な国宝や重要文化財の数々を目の当たりにされて、日本の文化への理解を深められたご様子です。

その他、11月上旬には、両陛下とご一緒に、皆既月食と天王星食をご覧になりました。御所のお庭で、天体望遠鏡や双眼鏡もお使いになりながら、月が徐々に欠けていき、赤銅色に染まる様子や、皆既月食中に天王星が月に隠れてからまた現れる様子、そして、月が再び元の満月に戻っていく様子などを、宇宙の神秘をお感じになりながら観察されました。

お住まいの御所では、犬の「由莉」や猫の「みー」と「セブン」など、大事に飼育されている生き物のお世話も引き続きなさっています。また、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、パプリカ、オクラ、枝豆の他、ジャガイモや里芋、生姜などの野菜を栽培され、ご自身で種を蒔かれた野菜が収穫の時期を迎えると、両陛下や職員と一緒に収穫をなさいました。今年は野菜がよく育ち、豊かな実りに恵まれて、日々のお食事にも彩りを添えられたご様子です。

両陛下と愛子さまが東京国立博物館を訪問された。3年ぶりの公の場での”3ショット”となった(11月24日)
両陛下と愛子さまが東京国立博物館を訪問された。3年ぶりの公の場での”3ショット”となった(11月24日)

お時間がおありの時には、両陛下とご一緒にご散策やテニスをされたり、天皇陛下とジョギング、職員とテニスやバドミントン、バレーボールをされたりするなど、新型コロナウイルス感染症の感染予防にも留意されながら、体を動かしていらっしゃいます。

新型コロナウイルス感染症の影響により、通常のお出ましが難しい状況が続いていますが、内親王殿下には、医療関係者や感染症対策に従事する方々の努力に感謝されるとともに、感染の拡大が早く収束に向かい、人々が安心できる日常を取り戻すことができるように願っていらっしゃいます。

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社会部
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