結婚式に招待されたことのある20~30代の7割以上が、「ご祝儀が高い」と感じたことがあることが調査で分かった(『となりのいろは』調べ)。

街では、物価高もあり負担が大きいという声も聞こえる中、結婚式を挙げる側はどう変化しているのだろうか。

式場選びをアドバイスする、『ハナユメウエディングデスク』の大川戸恵店長に、“結婚式の今”を聞いた。

コロナ前に比べて予算50万円減

――コロナ禍のウェディングに変化は?
当初は、ソーシャルディスタンスとか、「そもそも開催していいのか」といった相談が多かったのですが、最近はウイズコロナの中で、どういった形で素敵な結婚式ができるかといったお話をいただくことが多くなりました。

一方で、結婚式にかける費用は全体的に下がってきている傾向です。

ハナユメウエディングデスク・大川戸恵店長
ハナユメウエディングデスク・大川戸恵店長
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コロナ前はゲスト60名でだいたい400万円弱というのが一般的な相場と言われていましたが、現在はそこから50~60万円ほど下がってきて、だいたい350万円前後ぐらいで結婚式を挙げられる方が増えています。

結婚式を挙げることを最優先に考えられている方もいらっしゃるので、自分達の負担額は限りなく少なくしたいという希望から、ゲストの数を減らして総額は下げ、一方で、お料理や引き出物の金額は年々増え、質は良いものにするというのが、今の主流になってきています。

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会費制のウェディングが増加

こうした中、20~30代を対象としたアンケートで4人に3人が「ご祝儀が正直ちょっと高い」と感じているというデータがある。これについて大川戸店長は、会費制の少しカジュアルなスタイルの結婚式が増えてきていると話す。

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――最近の結婚式の傾向は?
ゲストの方々には金銭的な負担をかけたくないし、良いものをお返ししたい、と思われる新郎新婦様が増えてきたように感じます。

コロナ禍で、結婚・入籍してから結婚式までの間が空いている方も多く、結婚式を挙げるにあたって皆さんから改めて3万円や5万円というご祝儀をいただいていいのか、と心配される方が少し増えてきたなという印象はあります。

そういった方々は会費制ウェディングと言って、3万円、5万円ではなくて、1万円とか15,000円みたいな形の、ご祝儀よりも少ない金額を皆さまからお預かりして、お料理はしっかりお出しするけれども、引き出物はお返ししないといった、少しカジュアルなスタイルを取られる方も増えてきた印象です。

数としては全体の1~2割いかないところですが、それでも数年前と比べたら、だいぶ変わってきているので、私たちにとっては結構増えたなという印象です。

ライフプランを考えた式場選び

列席者になるべく負担をかけたくないという声が増える中、結婚式に対する新郎新婦の意識にも変化があるという。

――式場選びに感じられる変化は?
一昔前は、たくさんのゲストを招待する華やかな結婚式というのが主流でした。しかし年々近しい方や家族、友人と一緒に、日頃の感謝だったり、これからもよろしくという意味を伝える場として結婚式を考えられる方が増えて、そういった方々に思いを伝えることに重きを置いていらっしゃるんじゃないかなと感じます。

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また、遠方のゲストの方々に必要な宿泊費だったり交通費も高くなってきているので、そこも想定して結婚式を考えると、結婚式場に支払う金額は少しでも下げたいという思いで、結婚式にかかる費用をトータルで考える方が増えました。

コロナ前は正直あまり感じることはなく、「結婚式にいくらかける」というイメージで相談いただくことが多かったのですが、今は、結婚式、指輪、前撮り、新居、お車代などトータルでいくら以内に収めたいという、しっかりした上限とライフプランを考えて結婚式場を探される方が凄く増えました。

ハナユメウエディングデスク銀座店
ハナユメウエディングデスク銀座店

――背景にはどんなことが考えられる?
結婚式を挙げる価値だとか、そこにすべてを使ってしまうよりも、自分たちのこれからのライフプランを考えて、結婚式にかけるお金を逆算していくイメージで金額を考えられているんだと思います。

“ドル建て“の支払いを希望する人も

一方で、円安やウクライナ情勢の影響も出ているという。

――円安や物価高の影響は?
円安になって、現金での支払いよりも、ドル建てでカードで払った方が自分たちにメリットがあるのではないかということで、そういった支払い方法ができる式場があるかとのお問い合わせをいただき、会場を紹介することも増えました。

物価高については、今の時点でお客様からそのワードを聞くことは正直そんなに多くはないですが、これからお料理や飲み物など、いろいろなものの価格が上がってくるので、式場の金額設定が今後上がり、お客様もプランを下げて結婚式を検討することが増えるのではないかと想定しています。

また現在は、ウクライナ情勢の影響で、ヘリウムガスが手に入らなくなり、バルーン演出ができないとか、鳥インフルエンザから入らなくなったフォアグラがさらに入らなくなるなどの影響が出てきています。