岸田文雄首相は、19日、訪問先のタイのバンコクで記者会見した。
「政治とカネ」の問題を巡って与党内からも辞任論が出ている寺田稔総務相について、岸田首相は、政権が取り組む課題に「全ての力を集中していきたい」と強調した上で、閣僚の説明責任との「2つの観点から、首相として判断したい」と述べた。
会見で寺田総務相への対応を問われた岸田氏は、経済対策実現のための補正予算の成立、旧統一教会の被害者救済の新法、防衛力の抜本的強化、新型コロナウイルス第8波への対応などを挙げた上で、「臨時国会、年末にかけてまさに勝負の時が続く」と述べた。その上で「この2ヶ月間、政権の全ての力をこれら課題の一つ一つに集中していきたい。政権全体のこうした方針を最優先していく」と述べた。
また、「各閣僚においても、各自に求められる説明責任は徹底的に果たしていただかなければならない」とも述べた。
そして、「この2つの観点からどうあるべきか、内閣総理大臣として判断していきたい」と述べた。
寺田総務相を巡っては、地元後援会の政治資金収支報告書にすでに亡くなった人が会計責任者として記載されていたなど、政治資金を巡る問題が明らかになった他、選挙運動員の買収疑惑も報じられている。

野党は寺田総務相の辞任を求めて国会で追及する構えで、与党内からも「辞めた方がいい」との声が出ている。
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