8月に新潟県北部を襲った記録的な大雨から3カ月が経過。被災地では復旧が進む一方、いまだ店の再開ができず、収入を得られない事業者もいる。

復旧工事遅れ3か月間“収入ゼロ”… 

杉本一機キャスター:
大雨被害か3カ月。広い範囲で浸水した坂町駅周辺ですが、再開する店も増えてきて、徐々に日常が戻ってきています

新潟県北部を襲った記録的な大雨
新潟県北部を襲った記録的な大雨
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8月3日から4日にかけ、新潟県北部を襲った記録的な大雨。村上市や関川村など合わせて2400棟を超える住宅に被害があった。

3カ月が経ち、浸水被害が多く発生した村上市坂町地区では復旧が進み、営業を再開した商店も増えている。一方で…

杉本一機キャスター:
被害を受けたこちらの飲食店は、今も内装の工事の途中です。営業再開までは、もう少し時間がかかりそうです

内装工事中のイタリアレストラン
内装工事中のイタリアレストラン

坂町駅前のビルの1階に店を構えるイタリアレストラン。姉妹2人で切り盛りし、アットホームな雰囲気で親しまれてきたが、3カ月前、店内は床上70cmの浸水被害に。

シークレットフルーツ 武藤希理子さん:
泥だらけで、シャッターを上げたら何もかもひっくり返っていて、とにかくひどい状況。ただ、言葉が出なくて茫然

早期の店の再開を目指し、泥出し作業など急いで片付けを済ませたが、問題はその後。

シークレットフルーツ 武藤希理子さん:
テナントということで、大家さんの基礎補修工事が入らないと、私たちで進められる作業がない。基礎補修工事が始まらず、何もできない状況が続いていたので、その間はとにかく焦燥感

被害を受けた建物が多く、工事業者は住宅などの復旧を優先。店が入るテナントビルの補修の着工は遅れ、10月中旬にようやく引き渡しを受けた。

10月中旬にようやく引き渡し
10月中旬にようやく引き渡し

シークレットフルーツ 武藤希理子さん:
被災してから、全く無収入の状態

(Q.ここまで長くかかるというのは?)
シークレットフルーツ 武藤希理子さん:
全く想像もできなかった

それでも店を諦めたくない。武藤さんたちは再開の目途が立たない期間も、店で使う野菜の栽培にあたるとともに、クラウドファンディングで内装工事費の寄付を募るなど、できる準備を続けた。

店で使う野菜を栽培
店で使う野菜を栽培

経済的に苦しい状況は変わらないが、今も多くの支援が届く中、店の再開に向け「下を向く時間はない」と話す。

シークレットフルーツ 武藤希理子さん:
人とのつながりをすごく再確認できた。「前よりも、もっといいものを」と思いながら、一つ一つ大事に作っていく

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
NST新潟総合テレビ

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