政府が11月中に国会に提出する2022年度補正予算案に、経済面から安全保障を確保する「経済安全保障」の予算として、サプライチェーン強化の予算を1兆円超計上する方向で調整していることがわかった。
「経済安全保障推進法」が5月に国会で成立したことを受け、9月に政府の推進法の基本方針が閣議決定された。
政府は、半導体や蓄電池、医薬品などを「特定重要物資」に指定して、海外に拠点を置く工場などの「脱・中国依存」を進めたい考えだ。
「特定重要物資」は、「国民の生存に直接的な影響が生じる」「供給が特定の少数の国に偏っていて、供給が途絶えた場合に甚大な影響が生じる」などのおそれがあるもの。政府は、基本指針に基づき、対象となる物資の選定を進めている。
政府は今後、認定を受けた企業に対し、工場の国内や他国への移転についての支援を行う方針だ。
今回の補正予算案の総額は29兆1千億円規模だが、こうした経済安全保障の取り組みのための予算として1兆358億円を盛り込む方向で調整している。特定重要物資の指定は年内をめどに閣議決定される見通しだ。