夜明け前のタクシー車内で…被害当時を再現

島根・益田市で起きたタクシー強盗事件で、警察は10月29日、大学生の男を逮捕。犯行動機などを調べている。この事件で、あらためてクローズアップされたのが、タクシーの防犯対策。山陰ではなかなか進んでいない現状が明らかになっている。

被害にあったタクシー会社・藤原政志常務:
本当にもう安心した。ただそれだけです。(運転手も)安心していた

10月26日未明、益田市でタクシーの運転手が、乗客の男に首を絞められ、3万円を奪われた強盗事件。警察は、事件3日後の29日に、住所不定の大学生の男を逮捕し、犯行動機などについて調べを進めている。

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事件が起きたのは、夜明け前のタクシー車内。周囲の人通りもほとんどなく、まさに密室ともいえる状況だった。被害にあった運転手の話をもとに、当時を再現してもらうと…。

竹下慧記者:
(後部座席から腕で首を締め付けられ)抵抗できないですね、これをやられると動けない

被害にあったタクシー会社・藤原政志常務:
このまま、もう意識を落とされるかもしれないと思ったぐらい絞められたようです

男は、運転手の背後から手を回してきたという。

「会話聞こえづらい」高齢客多い地域事情も

今回の事件を受け、このタクシー会社が導入を検討しているのが…。

被害にあったタクシー会社・藤原政志常務:
車の後ろと前に壁を作る防護板です。後ろから運転手に危害を加えられないようにするため

運転席と後部座席を仕切る防護板。簡単に運転手に手を出すことはできないため、今回の事件では、防護板が設置されていれば、被害を防ぐことができた可能性もある。
しかし課題も…。

被害にあったタクシー会社・藤原政志常務:
益田では、ご高齢のお客様が多く利用していただいているので、(防護板で)会話がなかなか聞こえづらかったりするデメリットもある

高齢者が多いという地域事情もあり、防護板の設置率は、島根が38.8%、鳥取20.2%と、全国平均を大きく下回っている。

被害にあったタクシー会社は、さらに全車両について、車内の撮影ができるドライブレコーダーへの切り替えを進めている。
タクシー車内という密室で、ドライバーの安全を確保するのか? 今回の事件は、大きな課題を突き付けている。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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