普段はなかなか見ることができない、ある商品の製造工程の様子がTwitterに投稿され、「一日中見ていられる」と話題になっている。

大阪・八尾市にある「不易糊工業株式会社」の公式Twitterアカウント(@fueki_official)が「工場見学動画」とのコメントと共に投稿したのが約20秒の動画。

キャラクターの頭の形をした黄色い容器に、白いクリームのような“でんぷんのり”が入れられていく。

黄色の容器に白いクリームみたいなのりが次々と注入される
黄色の容器に白いクリームみたいなのりが次々と注入される
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これは1975年に販売開始した、不易糊工業のロングセラー商品「どうぶつのり」の製造工程の一部を撮影したもの。容器のキャラクターは同社のマスコットキャラクター・フエキくんだ。

一定の間隔で流れてくる容器のフエキくんの顔の向きはいろいろだが、そのまま充填ノゾルの下まで着くと容器が上昇。そこに次々とでんぷんのりが一滴も垂れることなく入れられていく。とろみのあるのりは色も相まってホイップクリームのようにも見え、どこかおいしそうだ。

「どうぶつのり」の製造工程の一部
「どうぶつのり」の製造工程の一部

この動画にはTwitterでも「見てて飽きないですね~」「顔があちこち向いてるのかわいい」「一日中見てられます」などのコメントが寄せられており、動画は40万回以上再生され、2万のいいねがつくほどの話題となっている(11月2日時点)。

「見てみたい方がいらっしゃるのでは?」と投稿

昔から愛用している人もいる「どうぶつのり」の製造の様子だが、なぜTwitterに投稿したのだろうか?不易糊工業のSNS担当・吉岡美咲さんに話を聞いた。


ーーなぜ「どうぶつのり」製造の様子を投稿したの?

日ごろから、工場見学をできないかというお問い合わせをいただくことがあります。なかなか見ることのできない製造工程を見てみたい方がいらっしゃるのでは?と思い、この動画を投稿しました。

工場見学の代わりに動画を投稿
工場見学の代わりに動画を投稿

ーー投稿には多くのいいねが付く反響があるが?

想像以上にたくさんの方に閲覧いただき、とても驚いています。また、この動画でどうぶつのりのことを「懐かしい」と思い出してくれた方もいて、嬉しい限りです!


ーー動画の後は、どのような工程を経て完成するの?

乾燥防止の紙・のりをすくうヘラを入れ、キャップを閉めて商品は完成です。ヘラ入れ・キャップ閉めはすべて手作業で行っております。

動画のその後の工程
動画のその後の工程

当初は犬、うさぎ、ぞうの3種セット

ーー「どうぶつのり」について教えて。

主原料は「とうもろこしでんぷん100%」です。特殊製法でアルカリ糊化をしており、その後、酸で中和、保存料を加え仕上げております。弊社のでんぷんのりは非常に高品質で、長期安定性に優れた、安心安全のでんぷんのりです。保存期間はメーカー保証としては2年となっております。

「どうぶつのり」左:60gサイズ 右:160gサイズ
「どうぶつのり」左:60gサイズ 右:160gサイズ

ーーなぜフエキくんの頭の形の容器になったの?

発売当時、女性や子供向けにファンシーな商品を売り出そうと企画が上がり、社内デザイナーが「かわいい容器で楽しい工作」をコンセプトにどうぶつ型の容器を開発しました。

犬、うさぎ、ぞうの3種セットで発売されましたが、ぞうとうさぎは廃番となり、根強い人気の犬(フエキくん)が残り、ロングセラー商品となりました。


ーーフエキくんは犬なの?

フエキくんは「犬」で、性別は男の子です。

フエキくんは犬の男の子
フエキくんは犬の男の子

ーー製造会社だから知る「どうぶつのり」の“豆知識”があったら教えて。

後ろに貯金箱用の切り出し口(容器の後ろの凸部分)がついており、使い切った後は貯金箱として使用することができます。

空になった容器の凸部分を切って貯金箱に!
空になった容器の凸部分を切って貯金箱に!

なお不易糊工業のアカウントでは、商品情報やイベント情報の他にも、不易糊工業のでんぷんのりは実はキンモクセイの香りがするといった豆知識も投稿している。

吉岡さんは「皆様にお楽しみいただけるようなコンテンツを投稿していきたいと思っています!」と、今後の投稿への意気込みを話してくれた。

フエキくんの容器が特徴の「どうぶつのり」は、全国の文具店や量販店等で、60gサイズが132円(税込)、160gサイズが242円(税込)で購入できる。また、黄色の容器で白色ののりだけでなく、のり自体と容器のフタがパステルカラーのタイプも展開している。
製造工程を知るとより身近に感じるだろう。懐かしいと思った人は、手に取ってみてはいかがだろうか。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。