8月の記録的な豪雨で被害を受けた新潟県村上市。三面川では豪雨を乗り越え、伝統のサケ漁が本格化している。漁業組合は人工的なふ化も実施、2023年2月ごろに放流を目指すなど、村上の伝統を未へ受け継ごうとしている、

豪雨による被害から復活! 村上市で“伝統のサケ漁”本格化

10月27日朝の村上市・三面川。船の間に広げられた網にかかっていたのは、大きなサケ。伝統の「居繰り網漁」をはじめ、村上市ではサケ漁が本格化している。

新潟県村上市の三面川
新潟県村上市の三面川
この記事の画像(10枚)

三面川鮭産漁業協同組合 佐藤克雄 代表理事組合長:
濁りの中でサケは苦しいだろうけど、ちゃんと帰ってきてくれるし、「天の恵みかな」なんて科学的な根拠もないことを言うが、ありがたい

8月、村上市は記録的な豪雨で被害を受けた。三面川も氾濫し、川に面した養殖場が浸水。サクラマスの稚魚など約16万匹が流出するなど、伝統のサケ漁にも影響が出た。

浸水した養殖場
浸水した養殖場

齋藤正昂アナウンサー:
こちらの三面川。8月の大雨の影響で、サケをとる仕掛けの土台が崩れてしまいました。しかし、関係者の尽力もあり復活。多くのお客さんが漁の様子を見守ります

10月21日からは「ウライ」という仕掛け柵を設置し、遡上するサケを落とし、かごに誘導して捕獲する漁も再開。

三面川鮭産漁業協同組合 佐藤克雄 代表理事組合長:
今年は諦めていた。来年につなげる意味で今年はやっている

例年は両岸に設置されるが、今回は応急工事を実施できた右岸のみの設置に。それでもこの日は52匹のサケがとれ、さっそく漁協の直売所で販売された。

漁協の直売所でとれたサケを販売
漁協の直売所でとれたサケを販売

お客:
本当に戻ってきてうれしい

お客:
立派に元に戻ったようだと感心していた。みんなで力を合わせたのだろうと思う

また、メスからは卵をとり、受精をさせて水槽へ。人工的にふ化を行い、2023年2月ごろに放流する。水槽のある建物も浸水被害を受けたが、組合員で掃除をして施設を再開させた。

メスから採卵し受精、人工的にふ化を行う
メスから採卵し受精、人工的にふ化を行う

三面川鮭産漁業協同組合 佐藤克雄 代表理事組合長:
やっと、ゼロからの採卵ができることをうれしく思っている。これをやらなくては、村上のサケは守れない。村上のサケを守るために、ふ化増殖・採卵してちゃんとやっていきたい

三面川鮭産漁業協同組合 佐藤克雄 代表理事組合長
三面川鮭産漁業協同組合 佐藤克雄 代表理事組合長

被害を乗り越え、村上の伝統を未来へ。三面川でのサケ漁は12月中旬ごろまで続く。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
NST新潟総合テレビ

新潟の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。