山際大臣の辞任について、岸田首相が国会で異例の謝罪した。
ただ、岸田首相の説明に対し、野党から激しいやじが飛ぶなど混乱が続いている。

異例の謝罪に怒号飛び交う国会

突然の辞任劇から一夜明けた10月25日。
閣僚が座る席を見ると、空席があった。
10月21日までの閣議には山際大臣が出席していたが、10月25日は姿がない。

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そして、閣僚の目につく場所に置かれていたのが新聞。一面に大きく、「山際大臣更迭」の文字が書かれていた。

事実上の更迭から一夜明けた国会は、異例の展開になった。
岸田首相が、午後の本会議で山際氏の辞任について「国会開会中に大臣が辞任する事態となり、深くおわびを申し上げます」と謝罪。

首相が、辞任した大臣について本会議で説明するのは、極めて異例のことだという。肩の荷が下りたのか、岸田首相の説明をぼんやりとした様子で聞いていた山際氏。

しかし、野党からは首相に厳しい質問が飛んだ。

立憲民主党・逢坂代表代行:
山際大臣は「記憶がない!記憶がない!記憶がない!」これを連発し、不誠実極まりない答弁に国民はあきれ果ててしまいました

その後も野党の質問が続いたが、岸田首相の答弁はわずか20秒ほどで終了。

岸田首相:
政府一丸となって、国政の運営にしっかり取り組むことで職責を果たしてまいります

「任命責任を果たせ!」などと怒号が飛び交った。

「もっと早く辞めさせるべきだった」

岸田内閣で閣僚が辞任したのは、山際氏が初めてだ。
しかし政府与党内では、あいまいな答弁を続けた山際氏をもっと早く辞めさせるべきだったという声が出ていた。
10月25日、与党幹部からも思わず本音が出ていた。

自民党・茂木幹事長:
説明能力、これが高い新しい大臣に就任されることを期待していきたい

公明党・山口代表:
説明能力に優れた人を選んでいただきたい

火中の栗を拾うことになった山際氏の後任には、前厚生労働大臣の後藤茂之氏が起用された。後藤氏は、これまでに旧統一教会との接点はないと説明している。

ただ、閣僚経験者からは、「私だったら絶対断る。(旧統一教会と)関わりが絶対ないなんて言い切れないので、(野党の)絶好の的になるのは分かりきっているのだから」と不安の声も上がっている。

こうした中、文化庁は10月25日、旧統一協会に報告を求めたり聞き取りができる、質問権の行使に向けた専門家会議を初めて開いた。

政府は、年内にも質問権の行使に着手する予定だ。

(「イット!」10月25日放送より)