臨時国会では17日から予算委員会が始まる。旧統一教会問題などを巡り野党は追及を強める構えで、支持率が下落している岸田政権にとっては大きな正念場になる。
予算委員会は衆議院で2日間、参議院で2日間、一問一答の形式で行われるため、質問する与野党と答える政府との間で活発な議論が行われる。初日となる17日、自民党の萩生田政調会長が質問の口火を切る。萩生田氏は経済政策や安全保障政策について質問する予定だ。
“統一教会”で野党追及 渦中の山際大臣に直接質問も

午後には、立憲民主党の岡田幹事長を皮切りに野党の追及が続く。岡田氏は9月に行われた国葬について質問する予定。その後、逢坂代表代行、山井国対委員長代理らからの質問が続く。8月の内閣改造後に次々と旧統一教会との関係が明るみになった山際経済再生相に対して直接、質すほか、旧統一教会への解散命令の請求についても求める構え。
一方、岸田首相は法令違反などの疑いがある場合、宗教法人の関係者に質問などができる「質問権」の行使について表明する見通しで、旧統一教会を巡る問題に積極的に対応する姿勢を示す考えだ。
「首相秘書官の長男」についても質疑
また、岸田首相が長男の翔太郎氏を首相秘書官に起用したことについても質疑が交わされる見通し。岸田首相は起用の理由について「休日深夜を問わず発生する危機管理のきめ細かい報告体制、ネット情報、SNS発信への対応などを、総合的に判断した」と説明している。

野党側はさらに物価高対策や、政府が表明した2024年秋までに健康保険証を原則廃止し、マイナンバーカードへの一体化を目指す方針などについても政府に問い質す見通し。
急激な円安、物価高、日本を取り巻く安全保障環境の変化、旧統一教会を巡る問題など課題が山積する中、岸田政権がどのように対応し、理解が得られるか“正念場の4日間”となる。