「日本は断然安い」歴史的円安で観光客続々

急激な円安や燃料価格の高騰で、値上げが続く電気料金。
政府は値下げを検討しているが、どうすれば利用者が値下げを実感できるかが課題となっている。

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10月14日の東京・秋葉原。
新型コロナの水際対策が大幅に緩和され、急増した外国人観光客の姿が多く見られた。
その手元に注目すると、大きな買い物袋が。

スウェーデンからの観光客男性:
めちゃくちゃお金を使ったよ。100万円は使ったね。


3日前に親子でアメリカから来たという女性は、アメリカにも店があるファストファッションブランド「ZARA」で買い物をしたという。

アメリカからの観光客女性:
アメリカに比べると、日本はとても安いです。ZARAで買い物したわ。安かった!

取材班:
アメリカにも店がありますよね?

アメリカからの観光客女性:
そうよ!そうよ!日本の方が安いわ。息子と500ドルずつ両替したけど、まだまだ現金が残っているわ。


別のアメリカ人男性は人気のフィギュアを約4万円で購入したという。

アメリカからの観光客男性A:
アメリカでは、これらは倍近くの値段です。円安をうまく利用しています。


“日本は断然安い”と買い物を楽しむ外国人観光客の背景にあるのが、歴史的な円安水準。

13日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、一時1ドル147円台後半まで下落。
約32年ぶりとなる円安水準を更新した。

アメリカからの観光客男性B:
間違いなく日本は安い。(買ったフィギュアはアメリカでは)20ドル以上する。

国内では電気値上がり…首相「実感してもらえる値下げを」

笑顔を見せる外国人観光客だが、この急激な円安による物価高は、日本の家計を直撃している。

女性A(50代):
食費がすごいですね。電気代が高くなっちゃうので、やっぱり抑えたいかなと。

中でも、家計に深刻なダメージを与えかねないのが、上がり続ける電気料金だ。

13日、「BSフジLIVEプライムニュース」に生出演した岸田首相は、電気料金の値下げに言及。

「利用者が明細書を見て値下げ分がわかる仕組み」が必要と話し、「国民に実感してもらえる電気料金の引き下げをやっていく」と強調した。

岸田首相:
去年とは桁外れの物価高騰の中に我々はいるわけです。

電力会社にお金を投入するというのではなく、今の電力料金の請求システムを使って、皆さんが請求書を見た時に、ひとりひとり「どれだけ電力料金が下がったか」それがよく分かるような形でないと、皆さんが様々な対策を実感してもらえない。

電気料金値下げの“見える化”を行うとした岸田首相。
明細書にはどのぐらい値下げされたのか、金額が表示されることになるのだろうか。


女性B(60代):
はっきり分かるなら助かるなと思います、これから暖房代がかかっていくので。

女性C(70代):
(金額の見える化は)難しいんじゃないですかね。

政府内には電気の使用量が増える今冬から値下げを始める案が浮上しているが、具体的な制度の仕組みはまだ見えていない。
ある政府関係者は「利用者が値下げを実感できる明細書作りを、どうすれば作れるかが課題だ」と話している。

さらに、大手電力会社の関係者からは「料金プランも多く、簡単ではない。言い方は悪いが振り回されている」という声も挙がっている。

こうした中、政府が今後、電気料金に続いてガス料金の負担軽減についても取り組む見通しであることがわかった。
岸田首相が今後の負担軽減策について説明するものとみられる。

(「イット!」10月14日放送分より)