拉致被害者の横田めぐみさんが10月5日、58歳の誕生日を迎えた。5人の被害者が帰国してから20年が経っても、動きの見えない拉致問題。今こそ、政府を動かす世論の力が求められている。

横田めぐみさん58歳に 具体的な行動を見せない政府に家族は…

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めぐみさんの母 横田早紀江さん:
元気な女の子。本当に大きくて、「赤ちゃんって重たいんだ」とびっくりした。初めて抱っこした時に思った感覚を今でも思い出す

早紀江さんが、めぐみさんを初めて抱き上げたのは1964年10月5日。めぐみさんは10月5日、58歳の誕生日を迎えた。

横田早紀江さんとめぐみさん
横田早紀江さんとめぐみさん

めぐみさんの母 横田早紀江さん:
大切なものを奪ってしまう「悪」というものに対してだけは、徹底的に強くしっかりと信念を持って、皆が一つになって動いていくことが大事だと思っている

現在めぐみさんが置かれた状況について、政府から正確な情報を得ることさえできないまま、10月15日には、5人の被害者の帰国から20年を迎えた。

めぐみさんの弟 横田拓也さん:
当時、営業車でラジオを聴いていた。5人がやっと帰ってこられたといううれしさと、自分の姉がそこにいないという悔しさと悲しさで涙が止まることはなく、運転ができなくて、側道に止まって、泣きながらラジオを聴いていたのが当時の思い出

早紀江さんは2022年で86歳。めぐみさんとの再会だけを切に求める家族の言葉は、怒り・焦り・いらだちなど、様々な悲痛な思いが絡み合う嘆きとなっている。

めぐみさんの弟 横田拓也さん:
2002年から長い時間が経っても、私の姉・めぐみは、田口八重子さん含め、誰一人として帰国できていない。政府の対応はまさに0点

めぐみさんの母 横田早紀江さん:
政府に家族は一生懸命、訴えてきた。国民に起きた問題を、政治家が毎日毎日論議して、「どうしたら助けられるだろう、何か良い方法はないだろうか」という知恵が、絶対に話せばあるはず。やらないから何も動かないのだと私は思っている

めぐみさんの父・横田滋さん
めぐみさんの父・横田滋さん

被害者家族が高齢化し、再会を果たせず次々と亡くなっている現実を前に、それでも具体的な行動を見せない政府。だからこそ今、政治家を選んだ私たちに求められるのは、政府を突き動かす世論の力だ。

めぐみさんの弟 横田拓也さん:
北朝鮮による拉致問題というのは、「横田家や飯塚家のかわいそうな問題」であったり、「家族会の皆さんのかわいそうなストーリー」という見方で見てほしくない。
全国民に課せられたリスクであり、北朝鮮からミサイルだって降ってくるかもしれない。自分たちの問題なのだと

めぐみさんの母 横田早紀江さん:
早く日朝会談を開いて、しっかりと金正恩氏と目を見合って、話をしていただきたい。そのことばかりを願って、首相にもお願いをしている

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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