10月1日・2日に、広島・宮島で開かれた「第99回 宮島写生大会」。厳島神社の大鳥居を描く恒例のイベントだが、ある理由でSNSでも話題になっている。

足場撤去前の最後のチャンス!「あえて工事中の大鳥居を描いて」

双眼鏡を真剣にのぞく女性や、ペンを小刻みに動かす男性。

小刻みにペンを動かし、複雑な大鳥居をデッサンする男性
小刻みにペンを動かし、複雑な大鳥居をデッサンする男性
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キャンバスに描いているのは、宮島・厳島神社の”修復工事中の大鳥居”。
工事足場やネットに覆われ、朱色の大鳥居の姿はうっすらとしか見えない。足場も含め、工事中の大鳥居を描く「宮島写生大会」が今、SNSで話題になっている。

ツイッターより:
今までは朱い鳥居を描けばよかったのに、足場が組まれたことで難易度が爆上がりした伝統的写生イベントがこちら

SNSで投稿されたツイートには「芸大の入試実技?」「参加する勇者はどれくらいいるのだろう」などと書き込みが殺到。13万5000件の「いいね」を記録した。

2022年末に工事終了を見込んでいることから、「修復工事完了直前特別企画」として開かれた”難易度高すぎ”の写生大会。これまでは高校生以下が参加していたが、初めて成人の部も設けられた。

10月1日・2日に開かれた「宮島写生大会」に参加する人たち
10月1日・2日に開かれた「宮島写生大会」に参加する人たち

宮島観光協会・末田匡拡さん:
今までにないぐらいの反響をいただいて、びっくりしています。大鳥居の修復工事が始まって3回、写生大会を開催しましたが、実は工事中の大鳥居が描かれている作品は1つもないんです。2022年が最後のチャンスになるので、1作品でも多く工事中の大鳥居を描いてほしいなと…

複雑な画線、変化する工事状況…難易度高すぎ

”もうすぐ見られなくなる”貴重な大鳥居の姿を描こうと、全国各地から参加者が訪れた。

山口・岩国市から来た小学生:
絵の具と鉛筆で描いています。大鳥居と工事の線を重ねるところが難しい

広島市から来た参加者:
パステルで描いています。楽しいですよ。工事の様子が細かいので、逆に細かいものが描けないパステルで描いたほうがおもしろいかなと思って

千葉から来た参加者:
満ち潮で描いている間にどんどん海面が上がってくるし、足場やネットが外されていくので、変わっていくものを描くのが難しかったです

写生大会の途中でこんなトラブルも。
「キャー!やめて、やめて!」という女の子の叫び声。見ると、宮島に生息する野生の鹿が描きかけの絵をがぶり…。鹿にかじられ、画用紙に小さな穴が空いてしまった。

鹿に画用紙をかじられるトラブルも…
鹿に画用紙をかじられるトラブルも…

困難を乗り越えながら、参加者たちは思い思いに作品を完成させていった。

「宮島写生大会」の入選作品は11月4日に発表され、厳島神社の回廊に展示される予定だ。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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