子育て世帯の8割以上が、物価高による負担を実感していることがわかった。
明治安田生命が、0~6歳までの子どもがいる既婚男女に実施した「子育てに関するアンケート調査」によると、「物価高により子育て費用に負担を感じている」と答えた人は、85.2%にのぼった。
生活必需品も値上がりで家計圧迫…子ども「もう1人」の意欲にも影響
費用の項目別では、
「食費(ミルク代やベビーフード、お菓子などを含む)」が最も高く(58.4%)、
「電気・ガス代」(36.5%)
「日用品(おむつ代など)」(35.7%)
と続き、生活費や必需品の値上がりが子育て世帯の家計を圧迫しているとみられる。
明治安田総合研究所のフェローチーフエコノミストの小玉祐一氏は、「2019年10月から始まった幼保無償化によって子育て費用は大きく軽減されたが、物価高がその効果のほとんどを打ち消している」と指摘する。

さらに、急速な円安に伴う輸入品の価格上昇は今後も続く見込みだとして、「子育て家計にとっては、物価高が大きな重荷となる状況が2023年にかけても続きそう」との見方を示す。
また、「子どもをさらに欲しい」と答えた人を男女別にみると、
男性が2.6ポイント増加(前年23.8% → 2022年26.4%)したのに対し、
女性は1.1ポイント減少(前年33.6% → 2022年32.5%)した。
その一方で、「子どもをさらに欲しいが難しい」と答えた女性は34.4%と、前年の29.8%から上昇した。その主な理由は、
「将来の収入面に不安がある」(55.6%)
「教育費がかかる」(48.7%)
「生活費がかかる」(46.6%)
と、いずれも前年より10ポイント以上上昇していて、女性の子どもを望む気持ちは、金銭面の不安と隣り合わせであることがうかがえる結果となった。
