新潟市にある冷凍ギョーザの無人販売所で、ギョーザが盗まれる一部始終を防犯カメラが捉えた。警察はギョーザを盗んだ疑いで55歳の無職の男を逮捕。この容疑者逮捕の裏には、店主の執念があった。
防犯カメラが一部始終捉えるも…逮捕の決め手は”映像”ではない!?
新潟市西区にあるギョーザの無人販売所に現れた1人の男。
周りを警戒しながら店内をうろつくなど、不審な動きを見せる。すると、間もなくズボンから財布を取り出し、料金箱に現金を入れようとするが、その手をよく見ると現金はない。
その後、ギョーザが入っている冷凍庫に向かうと、ギョーザの入った袋を手に取り、そのまま店を後にした。
これは9月14日に発生した窃盗事件の一部始終を捉えた防犯カメラの映像。
警察は冷凍ギョーザ32個を盗んだ疑いで、住所不定・無職の55歳男を逮捕した。しかし、逮捕の決め手となったのはこの映像ではなかった。
複数回盗まれたギョーザ…「気持ち踏みにじられ」執念の追跡へ
新潟餃子工房 目黒由希 店主:
お金を入れるふりをして、ギョーザを選んで取って歩いて行く感じなので1分もかからないくらい。ただ、ただ怖いという印象しかない
こう話すのは当時、販売所の裏にいた店主の目黒由希さん。
新潟餃子工房 目黒由希 店主:
ちゃんとお金を払って食べてもらいたいというのと、気持ちを踏みにじるようなことをされる思いがすごくあった。私たちも真剣にやっているので、絶対捕まえたいと思って追いかけた
執念の追跡。それには、あるワケが…
新潟餃子工房 目黒由希 店主:
同じ人なんですよ
こちらの店舗では8月にも今回の容疑者とみられる男に複数回ギョーザを盗まれていた。
これまで盗まれていたのはニンニクたっぷりのギョーザ。しかし、今回は味を変えたかったのだろうか、容疑者が手にしたのは別の種類のギョーザだった。
新潟餃子工房 目黒由希 店主:
捕まえたいという一心もあったが、怖くて手が震えた。容疑者に気づかれないように距離を50mくらい取って、見失わないように、警察と連絡を取りながら、こそこそ追いかけていった
容疑者に気づかれないよう、追跡を続けること15分。
記者リポート:
店舗から600m離れた場所に来ています。警察と連絡を取りながら犯人を追いかけたところ、この路上で男の身柄が確保されたということです
警察は目黒さんとの連絡をもとに、ギョーザを持って路上を歩いていた容疑者の身柄を確保。警察の調べに対し、「盗んだことは間違いありません」と容疑を認めている。
新潟餃子工房 目黒由希 店主:
人生でこんな経験はなかなかないと思うが、無事に捕まってよかったなとほっとしている。今はそういう気持ちしかない
無人販売所という良心を前提にしたビジネスを悪用した今回の犯行。警察は余罪なども含め、詳しく調べている。
(NST新潟総合テレビ)