FNNが実施した世論調査では、9月27日に行われる安倍晋三元首相の国葬について、公明支持層の57.8%が「反対」と答えた。前回8月の調査より20ポイント増えた。
公明支持層の国葬「反対」57.8% 1カ月で賛否逆転
FNNは、9月17・18日の両日、全国の18歳以上の男女を対象に、電話世論調査(固定電話+携帯電話・RDD方式)を実施し、1020人から回答を得た。
安倍元首相の葬儀を国葬として実施することについて、「賛成」と答えた人は、8月調査より9.3ポイント減って31.5%。「反対」の人は62.3%で、反対が賛成の倍近くとなった。

これを支持政党別にみると、公明党を支持する人では、国葬に「賛成」が37.9%、「反対」が57.8%だった。
8月の調査でも同じ質問をしたが、「賛成」60.5%、「反対」37.6%だった。1カ月で「反対」が20ポイント増え、賛否が逆転した。
公明支持層 首相の説明「納得できない」70.2%
また、公明支持層で、岸田首相の国葬についての説明に「納得できない」は70.2%で、「納得できる」は19.6%だった。(調査全体では、「納得できる」18.9%、「納得できない」72.6%)
浮き彫りになった与党内の温度差。公明党の山口代表は、14日の政府与党連絡会議で、国葬の賛否が別れる世論を念頭に、「安倍元首相の国葬については、国民の理解が進むよう引き続き丁寧に説明し、警備や接遇など体制整備に万全を期してほしい」と釘をさした。

公明支持層の内閣不支持46.6% 19ポイント増
一方、岸田内閣の支持率は、8月調査より12ポイント減って42.3%で、昨年10月の政権発足以来最低となった。不支持は50.0%で、初めて不支持が支持を上回った。

公明党支持層では、「支持する」51.4%、「支持しない」46.6%。支持が不支持を上回ったものの、その差は小さい。
ただ、8月の調査では、「支持する」70.7%、「支持しない」27.6%だったので、1カ月で「不支持」が19ポイントも増えたことになる。
国葬や旧統一教会をめぐる対応が、公明党支持層の判断に影響を与えた可能性がある。
また、政府の物価高への対応については、公明党支持層の62.0%が「評価しない」と答えており、「評価する」は26.5%。こうした要因も考えられる
自民党内からは、「国葬が終わったら、一つ一つ慌てず対処するしかない」との声がもれる。岸田首相は公明支持層の理解も得て反転攻勢に出られるのか。今後の対応が注目される。
(フジテレビ 報道局政治部 編集委員 三嶋 唯久)