9月3日(土)午前10時ごろ、アメリカ・ネバダ州ラスベガスの新聞記者、ジェフ・ゲルマンさん(69)が自宅の外で刃物で刺されて死亡しているのが発見された。

事件前日の防犯カメラには、変装して犯行の下調べをしていたとみられる人物が捉えられていた。また、警察は犯人の車としてSUV車の写真を公開した。

変装して犯行の下調べをしていたとみられる人物
変装して犯行の下調べをしていたとみられる人物
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ラスベガス警察長官は「特殊な事件。調査報道の記者の殺人で、容疑者は選挙で選ばれた現職の行政官だ」と語った。容疑者として浮上したのは、地元クラーク郡で行政官を務めるロバート・テレス被告 (45) だった。警察はテレス被告の自宅を捜索し、犯人の車と類似した車を押収した。

ゲルマンさんは、テレス被告に関する批判的な記事を複数書いていた。2022年5月の記事には、テレス被告の行政官のオフィスではいじめやひいきが横行し、職員がストレスを抱えていること、また、そうした職場環境をテレス被告が作り出していると書かれていた。これに対し、テレス被告はツイッターで自身を擁護し、「記者こそがいじめを行っている」と批判した。

左:ゲルマンさんの記事の一部 右:ロバート・テレス被告
左:ゲルマンさんの記事の一部 右:ロバート・テレス被告

また、ゲルマンさんの記事の影響もあり、テレス被告は2022年6月に行われた来年からの行政官を選ぶ民主党の予備選挙で落選している。検察は「被告は政治キャリアや結婚生活など、人生を台無しにされたと激しく非難していた」と法廷で語った。

警察は9月7日(水)に、テレス被告を殺人の容疑で逮捕した。被告はゲルマンさんを7回刺しており、この時、ゲルマンさんが抵抗した痕跡から、被告を犯人と特定する証拠が得られたとのことだった。検察は「被害者の手や爪から犯人のDNAを採取し、被告のDNAと特定した」と語った。12日(月)テレス被告は殺人の罪で起訴された。

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