旧統一教会を巡る一連の話題で表面化してきた「カルト規制」の課題。
日本での規制の参考になると言われているのが、20年以上前に制定されたフランスのカルト規制“反セクト法”だ。フランスのカルト対策を取材した。

フランスの「カルト規制」 日本に持ち込めるか?

訪ねたのは、「カルト被害者と家族を守る協会UNADFI(ウナドゥフィ)」。

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ここでは、カルトの信者となった人の家族から相談を受けて支援活動をするほか、カルト団体の調査や啓発活動を行っている。

事務所の棚にあったのは、旧統一教会に関する資料。日本語で書かれたパンフレットや、創始者・文鮮明(ムン・ソンミョン)氏を表す「MOON」の文字が。フランスで旧統一教会は、学生運動が盛んだった1970年頃、若者を中心に浸透していったという。

UNADFI パスカル・デュバルさん:
問題は信念そのものではなく、いったん信じ込むと、信者たちは(その教えに固執する)以前の環境、構成していたもの全てを否定してしまうということなのです

入信した子供と連絡が取れない親が相次ぎ、カルトが社会問題となったフランス。こうした中、設立されたUNADFIは、2001年に施行されたある法律の成立に尽力する。いわゆる“反セクト(カルト)法”だ。

フランスと日本で弁護士資格を持つ金塚弁護士は、この法律の特徴についてこう語る。

金塚彩乃弁護士:
こういうこと信仰してるからまずいよねって話ではなく、社会的に影響が出る個人の自由や身体や生命や自由や財産に対して損害がある、そういった具体的な危険な行為を取り締まる

マインドコントロールで判断力奪う行為を処罰できる「反セクト法」

中でも特徴的なのが、マインドコントロールで判断力を奪う行為を処罰できる点。刑法で、「無知の状態、あるいは脆弱な状態を不当に濫用する行為」と定義し、個人だけでなく団体も処罰の対象とした。

UNADFI パスカル・デュバルさん:
監視されていることが分かると、罪を犯すことは難しくなります

一方で、団体を解散させることもできるが、これまで適用例はないという課題も抱えている。

UNADFIパスカル・デュバルさん:
今のところ、実際に条文を適用することは難しいかもしれません。この法律を補ったり、書き換えたりすることで、裁判官が使いこなせるようにする必要があるかもしれません

この法律に、市民からは賛否の意見が聞かれる。

反セクト法に賛成の市民:
私たちの社会には常に、少し弱い人たちがいて、不誠実な人たちにつけこまれる恐れがあります。人を尊重するための法律を定めることは良いことです

反セクト法に反対の市民:
この法律を作った人は、人権の自由や各個人の自由について、非常に狭い視野を持っていると思います。この分野において、必ずしも国家にコントロールされる必要はありません

(関西テレビ「報道ランナー」2022年9月8日放送)