9月6日、福井市の小学校で出された給食にガラス片が混入し、それを食べた児童が口の中を切るけがを負った。

異物の混入が発覚した際は、給食を停止するという決まりになっているが、学校側はそれに従わず給食の提供を続けた。

けがをした児童の保護者を独自取材すると、学校側の対応に不信感を募らせていた。

給食にガラス片が混入 口にした児童はけが

ガラス片でけがをした児童の保護者:
給食の中にガラスが入っているのが一番ショック。問題はそのあとの対応。わたしの子どもが食べてしまったあと、ほかの児童に食べないように注意を促すなど、すぐほかの先生に知らせて学校全体で食べさせないようにできたのでは

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学校側の対応に怒りと不信感を募らせるのは、けがをした児童の保護者だ。匿名を条件に福井テレビの単独インタビューに応じた。

福井市日新小学校で7日、5年生の児童が給食で出たポークシチューを食べていたところ、異物が混入しているのに気づき、吐き出した。混入していたのは横15mm、縦8mm、厚さ1mmのガラス片だった。

児童は口内の上あごを切るけがを負い、病院で手当てを受けた。けがの程度は軽いという。

「異物確認に時間かかり、すぐ止められなかった」

福井市教育委員会が定める管理マニュアルでは、給食に異物混入が見つかった際は「ただちに給食を止める」ことになっている。ただこの小学校では、そのマニュアルを無視して提供を続けた。

なぜ定められた対応をとらなかったのか。学校責任者の宇野秀夫校長に電話取材すると…

日新小学校 宇野秀夫校長:
ガラス片と、フードプロセッサーの欠けた部分がほぼ一致した。ガラス片が粉々になっていなかったので、給食も終わりの時間で、そのまま給食を食べる形となりました

日新小学校 宇野秀夫校長:
異物混入の際のマニュアルについては認識していたが、異物の確認に時間がかかったため、ただちに止められなかった

マニュアルの存在を認識しながら、その通りに対応しなかった日新小学校。取材を進めると、その後の保護者への対応にも不審な点が見つかった。

「児童に異常は見られず」…事実と異なるメールが

ガラス片の混入が発覚した日の夜、学校側は事案の発生とその内容について、保護者全員にメールを送った。メールは児童のけがが発覚してから7時間後に送られてきたというが、その内容は事実と異なるものだった。

学校側から送られたメール:
破片を発見した児童につきましては、病院を受診し今のところ異常は見られず、様子を見ているところです。

学校側は「児童に異常は見られず」と説明した。このメールに、けがをした児童の保護者は憤る。

ガラス片でけがをした児童の保護者:
子どもが病院に行っている時点で、付き添いの先生には「ほかの保護者に絶対言った方がいいと思います」と伝えた。先生からは「多分、校長がすると思います」という感じで返された。いつ保護者全員に連絡がくるのかずっと待っていた。連絡がなかなか来なかった不安感もある。メールが遅れたのはおかしいのでは

メールついて、この保護者は学校側に指摘した。

するとその翌日の朝になり、「児童がけがを負った」という内容が加わったメールが送られてきた。

市教育委は「対応に問題あり」とコメント

不手際を指摘されたことついて、小学校の校長に聞いてみると

日新小学校 宇野秀夫校長:
このようなことが起こり、保護者の皆さま、子どもたちに申し訳ないと思っている。再発防止に向けて、先生ともう一度安全管理マニュアルを見直し、対策をきっちりする

福井市教育委員会は「対応に問題があった。給食を止めなければならなかった」とコメントした。今回の事案を受け、市内の給食センターや単独で調理している学校に対し、注意喚起と再発防止を徹底するよう緊急で通知した。

(福井テレビ)

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