鳥取県は医療機関と保健所の負担軽減に向け、9月2日に新型コロナウイルス感染者の「全数把握」の見直しに踏み切った。

果たして目的通りに負担は減ったのか?緊急検証した。

業務軽減は7割超 電話殺到で課題も

9月2日に業務を始めた「陽性者コンタクトセンター」。感染者の「全数把握」の見直しを受け、鳥取県庁内に設置された。

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医療機関と保健所が、感染者把握と発生届の対象を重症化リスクが高い人に限定する代わりに、把握の対象から外れるリスクの低い人は自らセンターに連絡して登録、受診先の医療機関の紹介などのサポートを受けることができる。

把握の対象から外れる重症化リスクの低い人は、受診先の紹介などの支援を受けられる
把握の対象から外れる重症化リスクの低い人は、受診先の紹介などの支援を受けられる

鳥取県陽性者コンタクトセンター 清水広明さん:
1日200件程度、問い合わせが来ている状況になります。ほぼ全ての該当の方に登録いただいていると思います

見直し初日の9月2日から4日まで、3日間の県内感染者数の合計は980人。このうち高齢者など、引き続き発生届の対象となっているのは全体の3割弱の268人で、数字上は従来の7割以上、業務が軽減されたことになる。

従来の7割以上、業務が軽減されたことに
従来の7割以上、業務が軽減されたことに

一方でセンターには電話が殺到。新たな課題も生じている。

鳥取県陽性者コンタクトセンター 清水広明さん:
感染者が登録してからすぐに事務局がアクション(返信)できない関係で、実際に登録できているかどうか不安になり、2回登録する方がいる。登録者への物資の配送が二重に届いてしまったり、不都合がある

「正直、負担感は同じ」医療機関に変化は

医療機関では「全数把握」の見直しで変化はあったのか?鳥取市内のクリニックで聞いた。

おおたに こども・ファミリークリニック 大谷英之院長:
発生届は全部手打ちで入力しなければならなかったので、割と時間がかかる作業が減ったのはありがたいです

発生届は1件ずつ手打ち入力で、時間がかかっていた
発生届は1件ずつ手打ち入力で、時間がかかっていた

見直し前は、多い日で10人の感染者情報を1時間かけて新型コロナ感染者の情報共有システムに入力していたが、見直し後は「入力ゼロ」の日もあるという。

見直し後は「入力ゼロ」の日もある
見直し後は「入力ゼロ」の日もある

しかし、こちらでも新たな課題が浮上している。

おおたにこども・ファミリークリニック 大谷英之院長:
これまでは「保健所からの連絡を待ってください」と一言伝えればよかったが、今後は患者さん自身にコンタクトセンターに登録してもらう必要があるので、クリニックで資料をお渡ししてご案内をしています。全体で見れば少し楽になったかなとは思いますけど、(負担感は)正直同じくらいかなという気が…

医療機関や保健所にとって、これまで義務的業務だった「全数把握」。その見直しで業務負担は軽減された一方、重症化リスクの低い感染者の実数をいかに正確に把握できるかが新たな課題として浮かび上がった。

政府が全国一律に「全数把握」を見直す方針を示す中、鳥取県の陽性者コンタクトセンターの取り組みは、今後の新型コロナ対策の試金石になっている。

(TSKさんいん中央テレビ)