コロナ禍で、普段使いの冷蔵・冷凍庫に加え、2台目の冷凍庫“セカンド冷凍庫”を買い足す人が増えているという。家電メーカーはニーズを捉え、様々な小型の冷凍庫を発売。中には、リビングや寝室など台所以外に置くことを想定したものもある。

例えば、大手家電メーカーのシャープでは、小型冷凍庫の今年4月~6月の販売台数が前年同期の約5倍に伸びているという。そうした中、人気となっているのが、霜が付かないファン式の小型冷凍庫(FJ-HF13H)だ。ドアの開閉方向を選べる「つけかえどっちもドア」を搭載しており、特に冷凍・冷蔵モードに切り替えられるタイプが人気だという。

シャープ 霜が付かないファン式の冷凍庫 FJ-HF13H(画像提供:シャープ)
シャープ 霜が付かないファン式の冷凍庫 FJ-HF13H(画像提供:シャープ)
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冷凍庫の中のイメージ(画像提供:シャープ)
冷凍庫の中のイメージ(画像提供:シャープ)

一方、日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立)が昨年3月に発売し、人気となっているのが小型冷凍庫がR-K11Rだ。「冷凍」「冷蔵」「常温」の3つの温度帯に切り替えられる「ぴったりセレクト」などを搭載した製品で、担当者は「おうち時間の増加に伴う2台目のニーズの高まりを受け、着実に販売台数を伸ばしている」と話す。

小型冷凍庫R-K11R(画像提供:日立グローバルライフソリューションズ)
小型冷凍庫R-K11R(画像提供:日立グローバルライフソリューションズ)

家電メーカーの業界団体、日本電機工業会(JEMA)の民生用電気機器自主統計調査によると、冷凍庫の国内出荷台数はコロナ前の2018年度が22.6万台、2019年度が25.3万台と20万台程だったが、2021年度は44.2万台まで伸びている。

また、セカンド冷凍庫だけでなく“セカンド冷蔵庫”も人気だ。日立では、リビングや寝室などキッチン以外に置けたり、複数台を組み合わせたりできる小型冷蔵庫「Chiiil」を今年4月に発売。インテリアとの相性を考え10色のカラーを用意している。担当者は「販売台数は、当初の計画の約3倍と好調に推移している」と話す。

※小型冷蔵庫「Chiiil」(画像提供:日立グローバルライフソリューションズ)
※小型冷蔵庫「Chiiil」(画像提供:日立グローバルライフソリューションズ)

では、なぜ2台目が人気なのか? キッチン以外に置く需要はあるのか? まずは、シャープの担当者に詳しく話を聞いてみた。

シャープ「コロナ禍で冷凍食品や調理食品の消費が急増」

――2台目の冷凍庫の需要が増えている理由は?

コロナ禍以降、多くの家庭がこれまでのライフスタイルとは異なる新しい生活様式へ変化しており、日本でも内食・中食需要が大幅に拡大したことにより、冷凍食品や調理食品の消費が急増。そうした背景を受け、冷凍庫の大容量化とともに2台目の冷凍庫需要が高まっていると考えております。


――巣ごもりで冷凍食品を買い込む人は増えている?

当社のアンケート調査でも、コロナ禍以降では、外出控えにより買い物の頻度が減り、1度にまとめ買いをする人が増えているという結果が出ています。


――これまで小さめの冷凍庫は、1人暮らしの人の購入が多かった?

これまでも小型冷凍庫については、ファミリー層を中心にご家庭の冷蔵庫の冷凍室が容量不足になり、2台目冷蔵庫を求めている方を主なターゲットとしておりました。現在も主な利用者はファミリー層になります。


――キッチン以外に冷凍庫を置く需要もある?

キッチン以外ではダイニングや廊下に設置されている家庭もございます。


――ウィズコロナで巣ごもりする人が減ったように思われるが、今後は2台目の冷凍庫の需要はどうなりそう?

家庭用の冷凍食品は年々需要・供給とも拡大しており、今後もそのトレンドは継続すると考えております。メインの冷凍室では収まらない家庭において、セカンド冷凍庫は引き続きニーズが継続すると考えております。

日立「すぐ手の届くところに食品を保存したいニーズも」

続いて、日立の担当者にも2台目を買う人が増えている理由などについて聞いてみた。


――2台目の冷凍庫の需要が増えている理由は?

外食の機会が減り内食の機会が増えたことで、冷凍食品を大量にストックすることが増えたことが考えられます。


――キッチン以外に冷凍庫や冷蔵庫を置く需要もある?

キッチン以外にも、リビングなどに置いてすぐ手の届くところで食品を保存したい、というニーズもあると考えています。弊社ではそのようなニーズに応えるため、デザインにも配慮した小型冷凍庫R-K11Rや小型冷蔵庫「Chiiil」R-MR7Sを販売しています。

ワークスペースに置かれた小型冷蔵庫「Chiiil」(画像提供:日立グローバルライフソリューションズ)
ワークスペースに置かれた小型冷蔵庫「Chiiil」(画像提供:日立グローバルライフソリューションズ)

――今後、2台目の冷凍庫の需要はどうなっていく?

テレワークの拡大などで、今後も需要は底堅く推移していくと考えています。



2台目の需要の高まりは、「コロナ禍のまとめ買い」「テレワークの拡大」などが影響しているようだ。かつては一家に1台だった冷蔵・冷凍庫。生活スタイルの変化などによって、一家に2台がさらに浸透していくかもしれない。