「お礼届いて欲しい!」

親切にしてくれた男性にどうしてもお礼を伝えたい母親がTwitterへ投稿。多くの人に拡散され本人へ届きなんと対面が叶った。Twitterの“優しい世界”が話題となっている。

「そのワンタンはどこでゲットしたんですか?」

話題となっているのは、3歳の息子を育てる母親のみるさん(@mychonanlove)が投稿した、ある男性に感謝を伝えるメッセージ。

【お礼届いて欲しい!】
昨日15時30分過ぎ頃、横浜駅西口周辺にて
クレーンゲームでゲットしたワンタンクッション持っていらした男性の方へ

みるさんは横浜駅で8月30日 、東洋水産のマルちゃん「ワンタン しょうゆ味」がデザインされたクッションを持っていた男性を見かけた。

マルちゃんのワンタンは、息子さんが2歳の時に偏食で悩んでいた際、唯一食べた炭水化物。息子さんだけでなくみるさんにとっても大変思い出が詰まった商品なのだそう。

そこで、思わず男性に駆け寄り「そのワンタンはどこでゲットしたんですか?」と入手先を知りたいと声をかけたのだとか。クッションはクレーンゲームで手に入れた景品だと判明し、さらにはこの男性が「私は取るのが楽しいので、良かったら…」と譲ってくれたというのだ。

男性からもらったワンタンクッション
男性からもらったワンタンクッション
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しかし、とっさのことできちんとお礼ができず、一緒にいた息子さんも寝ていて喜ぶ姿を男性に見せられなかった。これを後悔し、感謝の気持ちと共に、喜ぶ息子さんの姿を見てほしいと、一連の経緯をTwitterへ投稿していたのだ。

このツイが目に入るかは分かりませんが、その節は本当に本当にありがとうございました。
ワンタン抱っこしてテンションブチアゲの息子の姿を彼に是非見てほしい、本当に見て欲しい!!
あの優しくて心の広い男性が、どうか平和な毎日を送れますように!!

ツイートには、もらったクッションを抱きしめ、満面の笑みを浮かべる息子さんの様子も投稿されている。夜には宝物のように抱いて寝ていたという喜びようだ。

ワンタンクッションを抱きかかえてうれしそうな息子さん
ワンタンクッションを抱きかかえてうれしそうな息子さん

その後に本人と対面。サプライズはワンタンポーチ!?

この投稿に賛同したTwitterの人たちが、「何とか本人に届け」と拡散をしてくれた。
そして、奇跡は起きた。その数日後、みるさんはリプライで喜びの報告をしている。

【拡散してくださった皆様にご報告】
皆様が広めてくださったお陰で、昨日、紛うことなきご本人さまよりDMを頂くことができました。話しかけた状況や、お話した内容、服装まで全て一致しており、間違いありません。

みるさんの男性へ感謝を届けたいという投稿は大きく拡散され、この男性の知人が気づき、知人のSNS経由でみるさんに連絡をしてくれたという。なお、男性本人はSNSをやっていなかったそう。反響が大きくなったことで知ることができたのだ。

どうしても改めてお礼を伝えたいと、後日、男性と直接会う約束をすることができ、お礼の品を渡せることになった。みるさんは地元産のワインと米、トリュフポテチをお礼の品として渡した。

すると男性からも驚きの贈り物があったのだ。なんと今度はワンタンがデザインされたポーチをプレゼントしてくれたというのだ。これにはみるさんも「思い出の詰まった宝物が、もう1つ増えました」とコメントをしており、息子さんも見るなり「ワンタンだあああああ‼️」と大喜びしたそうだ。

男性からもらったワンタンクッションとワンタンポーチ
男性からもらったワンタンクッションとワンタンポーチ

さらには男性とは同じ男の子を持つ親同士という共通点があり、話が弾んだとか。この一連の出来事に対し、「まさかTwitterのたったあれだけのつぶやきでこんな出会いがあるのかと、鳥肌モノでした」と驚いているようだ。

この投稿にTwitterでも「素敵な男性ですね」「なにこの優しい世界‼︎」「心優しいエピソードにほっこりしました」といった驚きと称賛の声が多く寄せられ、最初の投稿には5万のリツイートと、14万以上のいいねが付く大きな話題となっている(9月12日時点)。

「繋がれるとはまっっったく予想していませんでした」

Twitterの拡散力が生んだ一連の出来事はたしかに「鳥肌モノ」だったかもしれない。実際、本人と繋がった時はどう思ったのか? そして、もうすぐ4歳となる息子さんには、この出来事をどのように伝えたのか?

みるさんに話を聞いてみた。


ーー投稿には多くの反響があり、話題となっているが?

皆さんが口を揃えて「ワンタンクッションの方に届け〜!」とお優しい言葉と共に拡散してくださり、その優しさにまでとても胸を打たれました。見ず知らずの人の呟きにこんなにも温かいコメントがたくさんで、「もしかしたら届いてくれるかも…」と淡い期待が生まれ、心がホッコリいたしました。


ーー投稿が拡散され、クッションをくれた男性と繋がった時の心境を教えて。

まず「やっと会えた…!!(実際にはまだ会えてはいないんですけど)」という気持ちがとても大きかったです。リプ欄に「これ私です」や「もしかしたら私かも」など、DMもたくさん頂きました。ですが、確認してみると皆さんご本人さまではなくて…。このまま届かないかな…やっぱり無理なのかな…と半ば諦めの気持ちでした。

そんな中、当日の服装や声をかけさせていただいた時の状況、話した内容、全てを明記してDMをくださった男性がいらして。その方は紛うことなきご本人だったんです。しかもSNSをしていないにも関わらず、会社の同僚の方から「これって君じゃないの」とツイートを見せてもらったとのこと。もう嬉しさで震えました…。本当に手が震えました。

「どのぬいぐるみとねんねする?」の問いに、クッションをもらってからは「ワンタン!」という息子さん
「どのぬいぐるみとねんねする?」の問いに、クッションをもらってからは「ワンタン!」という息子さん

ーー本人に繋がるとは思っていた?

フォロワーさんもあまりいない私のアカウントですし、繋がれるとはまっっったく予想していませんでした。その方がSNSをしているかどうかも分かりませんでしたし…。もし繋がったら「せめて、きちんと感謝の気持ちを伝えたいなぁ」くらいの気持ちで投稿いたしました。


ーー景品をくれた男性の反応はどうだった?

DMでは「お子様のために声を掛けるのに勇気が要ったでしょう、私の方が感動しています。こちらが勇気をもらいました。生きていく力が増えました」と、とてもとてもお優しい言葉を頂戴いたしました。お優しい方は、どこまでいってもお優しいお心の持ち主なんだなぁ…と、目頭が熱くなりました。

お礼を申し上げるつもりが、逆にお礼を言われてしまい…。挙句、「私はそんなに褒められるような人間では無いのです」と謙遜しておられました…。

男性からのサプライズ「人を喜ばせてる天才だと思った」

ーーその後実際に会うと、サプライズでさらにプレゼントがあった。その時の状況を教えて。

改めて、と会った場所が横浜ゲームセンター内だったのですが、ワンタンポーチを持っていらっしゃったので、「あ、今取れたのかな?おめでたいなぁ」なーんて思っていたら「これ、良かったら今取れたので…」とプレゼントしてくださり…。


ーーそれにはどう思った?

「ええええええええまさかーーーー!!!!!!!!!」と思いました。「サプライズプレゼントにもほどがあるわ!!!!!!!!!」と 笑。もう、優しいとか心が温かいとかだけじゃなく、その上で、人を喜ばせて幸せにしてくれる天才だと思いました。

お気に入りのカービィのぬいぐるみにワンタンを食べさせるマネをして遊んでいる息子さん
お気に入りのカービィのぬいぐるみにワンタンを食べさせるマネをして遊んでいる息子さん

ーー直接会った際の男性の反応はどうだったの?

私がお礼をお渡しした時は、申し訳なさそうにしていらっしゃいました。ですが、ワインとちょっとしたおつまみ、お米ですので、「後ほどいただくのが楽しみです」と仰って嬉しそうにしていらっしゃいました。

サプライズを頂いた時は、私がまた「いくらで取りました?笑」とお伺いしたら「じゃあ…10万円で笑」と、冗談と笑いありのサプライズでございました 笑。

2つのワンタンは息子さんの宝物に!

ーー息子さんには一連の経緯についてどう伝えた?

話してみたんですけど、3歳の息子はまだよく分かっていないようで、最初はキョトンとしておりました。ですが私があまりにも感動している様子を見て、ようやく分かったのか、「優しいお兄ちゃんみちゅかった?よかたねぇ〜」と、私をハグしてくれました 笑。大きくなったら、一連のツイートと一緒にまた話してみようと思います(*^^*)


ーー現在、もらったワンタンクッションやワンタンポーチはどうしているの?

息子が1歳半の時からずーーっとお気に入りな猫のぬいぐるみと共に、ワンタンクッションも毎晩抱きしめて寝ております!これには驚きました。相当お気に召したご様子です。ポーチは息子のお菓子入れになりました。大好きなチョコのお菓子入れになっています!お出かけの度に息子のリュックに入れてます(*^^*)

もう、紛うことなき我が家の宝物ですね。思い出と共に大切にしようと思います。

毎晩抱きしめて寝ているそう
毎晩抱きしめて寝ているそう

ーー改めて、一連の経緯について感想を。

ご飯を食べない偏食息子の、毎日朝昼晩のご飯支度という苦労と努力の思い出が、まさかこんな風に形を変えて私の元に戻ってくるなんて…。まさかこんなに温かい気持ちをプレゼントしてくれるなんて、思いもよりませんでした。SNSの力がなかったら、息子がよく食べる子だったら、こんな素敵な体験をすることは無かったと思います。

改めて、ワンタンクッションの君、東洋水産さま、ラウンドワンさま、温かいコメントとともに拡散してくださった皆さま、関わってくださった皆さまに、お礼を申し上げたいです!!

「おいちー!おいちー!」と大好きなワンタンを食べる息子さん
「おいちー!おいちー!」と大好きなワンタンを食べる息子さん

SNSの拡散力で繋がり、素敵な出会いとなった今回の一連の出来事だが、最初のきっかけは、みるさんの息子さんを思っての勇気ある声かけがあったからこそだろう。みるさんの優しい気持ちが、クッションをくれた男性、そしてSNSの多くの人の心を動かしたのではないだろうか。

息子さんが大きくなった際に一連の経緯を改めて話す予定だというが、どのような反応をするのか、その時が今から楽しみだ。

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プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。