飼い猫が朝、ある場所へ「行こう」と誘ってくる。その行く先に多くの人が感動している。
2匹の猫と暮らす飼い主さん(@zozonyawn22)が、Instagramに投稿した動画は、父親が亡くなってから約2週間後の朝の様子を撮影したもの。
投稿動画の前日の朝から、茶トラのちびくん(12歳・男の子)が「にゃーん」と鳴き、飼い主さんを亡き父の御骨がある祭壇の場所へと誘導してくるのだそう。

別の部屋にいたちびくんは、飼い主さんの足元で見上げるように立っており、飼い主さんの「何?」との問いに対し「にゃーん」と返してくる。そして「来る?」と声をかけながら扉を開けると、スタスタとすり抜けていくのだ。

ちびくんは時折、飼い主さんを振り返りつつ、鳴きながら前を歩く。その姿は「こっちだよ」と先導しているかのよう。

ちびくんに付いていくと前方にはもう1つの扉が。飼い主さんは「分かったよー」と声をかけながら扉を開けようとする。待ちきれないのか、ちびくんも前足を伸ばしてお手伝い。
そして、扉が開くとすぐに進んでいく。スタスタと進む足取りに迷いはない。

和室にたどり着いたちびくんは、歩みを止め、入口で飼い主さんを見上げ「にゃーん」と鳴く。「着いたよ」とでも言っているのだろうか。
そんなちびくんの見つめる先、部屋の中には、亡くなった飼い主さんの父親の祭壇が祀られていた。

数秒後、父親への挨拶が済んだのか、ちびくんはそのまま和室を出て駆けて行った。そこで動画は終了する。
動画には「お父さんの事、大好きだったからこそですね」「ちびちゃんは御恩を忘れないいい子だね〜」といった声が寄せられており、ちびくんの父親への思いに多くの人が感動しているようだ。動画再生数は29万5000回を超える反響となっている(2月21日時点)。
普段と違う鳴き方で見つめてきた
ちびくんと生前の父親はそれだけ深い絆で結ばれた関係だったのだろうか?そして、現在も続いているのだろうか?
飼い主さんに話を聞いてみた。
ーー誘導されていると、どうして気づいたの?
鳴き方がいつもと違っていて、私を見つめ呼ぶので気づきました。よく聞く「ミャー」ではなく、盛りの時みたいな鳴き声で「ゴロにゃーん?ゴロにゃぁーん?」みたいな鳴き声でした。私を見つめて、鳴くのです。

ーーなぜ父親のもとへ誘導していたと思う?
猫が天界からの信号を察知して、父の代わりに猫を使って呼んだのかなと。猫視点で考えるならば、因果関係があるか定かではありませんが、「ママ来て!」って言いたかったのかな?と思います。
(ちびは)意思表示を割とできるかなと思います。お話もよく出来ます。普段から私が応えると返事をしてくれますので、(今回の動画でよく鳴いていたのは)私が「なぁに?なぁに?」と聞く度に「ゴロにゃーん」って答えてくれていたのかな?と思います。

ーー誘導する様子を見て、どう思った?
何を伝えたいのかはわかりませんでしたが、来て欲しいんだな、彼の気持ちを聞いてあげたいな、応えたいなという気持ちでした。
「ちびが父から愛されていたからではないか」
ーーちびくんはどういった子?
茶トラの猫・ちびくんは臆病です。そして、甘えん坊です。食いしん坊です。 お客さんがくると影に隠れるような感じでいます。ちなみに、もう1匹の三毛猫・なっちゃんは、逆に懐っこくて人に寄っていきます。

ーー生前の父親との仲はどうだった?
父も動物が好きで、にわとりや犬を経て今は猫を飼うに至っています。ちびが子供の頃に怒られたかなにかで父に怖がる素振りをすることもあり、なでてもらう程度でしたが、父は猫たちに対して、好意的であたたかく接しておりました。ちなみに、三毛のなっちゃんはよく父の膝の上に乗ってくつろいでいました。
私から見ても、父は猫たちを可愛がってくれていたように思います。なので、父が亡くなってから祭壇へ連れていく行為は、ちびが父から愛されていたからではないか、と推測します。父の愛情は猫たちには伝わっていたのだと思います。

ーー現在も続いているの?
ちびが祭壇へ誘導するのはあの投稿動画が2回目で、それっきり誘導はありませんでした。現在もありません。なぜ終了したのかですが、恐らく私が彼(ちび)の「着いてきて」という要求を果たしたからではないでしょうか。
スピリチュアルな観点からだと、父自身の気が済んだとも考えられます。猫を通じてコンタクトを取らなくてもよくなった、的な!

ーー動画は29万回を超える再生数になっているが、その反響をどう感じている?
動画に張りつけたコメントに「御骨」とあり、そして「猫」の組み合わせでしたので、「何が起こるんだ?」という興味を持たれる方が多かったのかなと思います。
私のインスタは細々とやっており、ハッシュタグを付けるのも面倒で、もう少しくらいフォロワーさんを増やす努力をすればよいのかとは思いますが、なんせ丁寧に書くのが面倒で、いつもいいねがフォロワーさんのいいねくらいなので、こんなに見てもらえて嬉しいです。また、温かいコメントもたくさんもらえて、興味を持ってもらえてミーハーな私は嬉しかったです。
飼い主さんは、ちびくんの祭壇への誘導は、亡くなった父親がちびくんを通じてコンタクトを取ってきていたのではないかと考えているという。
もしかしたら、ちびくんはいっぱい愛してくれた恩返しとして、こんな行動をとったのかもしれない。