2022年8月10日・11日の2日間、高知市で「よさこい鳴子踊り特別演舞」が開催され、3年ぶりとなる“夏のよさこい”が実現した。よさこいに魅せられ高知に移住したものの、新型コロナウイルスによる開催中止で1度も祭りに参加できずいた女性の“初めての夏”を取材した。

「よさこい」のために県外から移住

「よさこい鳴子踊り特別演舞」の開催が決まった、8月1日。参加チーム「帯屋町筋(おびやまちすじ)」の練習で、ひときわ目を輝かせている踊り子がいた。
2019年の冬に福井から高知市に移住してきた、渡辺栄美子さんと娘の晨巴(あきは)さん(24)だ。

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渡辺栄美子さん:
仕事に行くときも帰りも曲を聴きながら行ったり帰ったりしていて、曲を聴くだけでウルウルきている

娘・晨巴さん:
一緒に車に乗っているときも曲をずっとかけたりしているので、本当に楽しみなんやなと思います

栄美子さんは移住前、スナックを営む傍ら、福井のチームや「帯屋町筋」に所属し、県外の踊り子として15年間祭りに参加していた。

渡辺栄美子さん:
これが「ジュニア隊」時代の娘

娘・晨巴さんも「帯屋町筋」の「ジュニア隊」で踊っていた。移住して、高知県民として2人そろって同じチームで踊るのが夢だったという。
しかし移住翌年の2020年、よさこい祭りが史上初の中止に。当時、栄美子さんは高知市の居酒屋で働いていた。

客に「こんな中止とか想像もせんと来たわけやね」と言われ、「なるかなーっと思って来たけど、テレビで中止決定って聞いたとき泣いた」と話していた。

3年ぶり…念願の“夏のよさこい”開催へ

それでも練習を欠かさず、いつか踊れる日を待ち続けてきた。そして2年たった、2022年。

よさこい祭振興会・山崎道生 副会長:
2022よさこい鳴子踊り特別演舞は、予定通り開催することに決定いたしました

迎えた8月10日、特別演舞スタート直前の栄美子さんは…

渡辺栄美子さん:
早いですね。わくわくドキドキもあるけど(終わったときを考えると)寂しい

娘・晨巴さん:
母の夢を叶えられてよかったと思います

渡辺栄美子さん:
感謝の気持ちを込めて頑張って踊りたいと思います

念願の、お城下での演舞を披露した。

渡辺栄美子さん:
戻ってきたって感じで、祭りや~!やっぱり祭りやないといかんです!もうふらふら
――いい汗かいてますよ
ありがとうございます。がんばります

「帯屋町筋」の2022年のテーマは「帯筋Remix」。第50回の記念大会だった2003年や、審査員特別賞を受賞した2019年など、4年分の踊りが1曲に詰め込まれている。

栄美子さんが移住前に踊った振り付けもあり、高知県民として踊る幸せをかみしめた。

最終日 “肩を並べて踊る”チャンスはないと思われたが…

2日目の11日は、ホームの帯屋町会場からスタート。スタート前から嬉しそうな栄美子さんの姿があった。

渡辺栄美子さん:
(おかえりメダルを)いただきました。ありがとうございます。きょうで終わっちゃうのですごく早かったですね。複雑というか寂しい

100人の隊列で、栄美子さんはほぼ最後尾。晨巴さんは中央より前で2人の間には20メートル以上の距離があった。
親子で並んで踊るチャンスはないかと思われたが、最後の演舞となった柳町会場で、チームの仲間の計らいから、ついに肩を並べて踊ることができたのだ。

――どうでした?
渡辺栄美子さん:

ありがとうございます。楽しかったです。最高でした

娘・晨巴さん:
他の(会場では)一緒に並んではできなかったので、最後、柳町で隣で踊れて本当によかった

渡辺栄美子さん:
ご縁をいただいた方々のおかげで、きょうまで頑張ってこられたので本当にうれしい。これからもよろしくお願いします

――「よさこい」とは?
渡辺栄美子さん:

よさこいっていうか“高知”最高!

三女・晨巴さんと踊る夢を叶えた栄美子さん。次は福井で暮らしている次女・莉旺菜さん、そして8歳の孫・愛菜ちゃんと3世代で踊りたいと話していた。それまでずっと現役でいられるように、ジュニア隊ならぬ“シニア隊”を作ってほしいとチームにお願いしているそうだ。

(高知さんさんテレビ)