女性目線で働きやすい職場環境を整備するため、社内でプロジェクトを立ち上げたメンバーを取材した。

有志で発足、普及へ 「フェムテック」「メンテック」とは

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福島・いわき市で開催された展示会。会場に並べられたのは「フェムテック」「メンテック」と呼ばれる製品だ。

フェムテックとは「Female」と「Technology」をかけ合わせた造語で、生理や更年期など、女性が抱える健康課題を解決する製品やサービスのこと。同様に、メンテックは男性用を指す。

展示会を企画したのは、音響機器やカーナビなどを製造・販売する「アルプスアルパイン」のいわき事業所の女性たち。

金野莉央さん:
今入社3年目です。技術企画室っていう、技術部門全体に横ぐしを刺して活性化させていくような部署です

飛田るみ子さん:
入社は31年目になります。役員の秘書を担当させてもらってます

年齢も部署も異なる有志で発足した「HANAプロジェクト」のメンバー。

深谷阿津子さん:
私たちの活動の目的は、女性目線で働きやすい職場環境を整備しましょうということ

この会社では、女性社員が働きやすさの向上を目指して立ち上げたプロジェクトが多く活動していて、人材育成にもつながるとして副業を認めている。

アルプスアルパイン 執行役員・渡辺好勝さん:
今回こういった副業を実際にやっていただくことで、別な視点で自分の仕事をしっかり見ることができますし。特別な視点を持ったことで、改善点であるとかアイディアが浮かぶというところは我々としても期待しているところです

“自分の体を知る”ため行政と企業が連携 地方でも直接見て情報得る機会を

プロジェクトを立ち上げた一人、深谷阿津子さんが働きやすい職場を作りを考えるようになったきっかけは、自身の不妊治療だった。

深谷阿津子さん:
子宮の中に大きな筋腫がありまして、そのせいもあって子どもができにくい体だっていうのが初めてわかった状態でした。(子どもが)自然とできるんじゃないかなって思ってたんですね。でもそうじゃなかったっていう。
やっぱり、自分の体のことをちゃんと知っていなかったからそういう考えに至らなかったっていうのももちろんあったんですけど。病院に行って本当に後悔しましたね

“自分の体のことをもっと知ってほしい”、そんな思いから辿り着いたのが、フェムテックやメンテックの普及だった。

多くの人に製品を知ってもらうため、いわき市と合同で展示会を企画した。妊活や不妊治療のための検査キットをはじめ、生理や更年期の悩みを解消するグッズなど、約30種類を紹介した。

金野莉央さん:
卵子の数は生まれた時がピークで、そこからどんどん減っていくんですよ。卵子の質もどんどん下がっていってしまう。その質も含めてチェックできるのが、卵巣年齢チェックキットです

健康に関する適切なアドバイスができるよう、専門的な知識を習得しているメンバーもいる。

金野莉央さん:や
自分でセミナーの開催情報は取りにいって、女性の活躍や健康、フェムテックに関わるところは積極的に参加するようにはしています

フェムテックなどに行政と企業が連携して取り組むのは、全国的にも珍しいという。

深谷阿津子さん:
地方にいると情報もなかなか入ってこなかったり。あとは実際にそういったものはインターネットとかではもちろん買えたりするんですけど、デリケートな商品になりますので、直接見られた方がいいかなっていうのもあって

「悩みを抱えた人たちが交流できる場所を作りたい」

そして迎えた、展示会当日。

現地を訪れた、不妊治療を10年ほど続けていたという男性は「私たちがやっていたころの時代とは違って、こういう製品が出来てるんだなっていうのがすごくよくわかりました」と話す。

また、インターネットでフェムテック製品(月経カップ)を購入したことがある女性は「本当に安全なのか、このまま使って異常ないのかが心配でした。学校とかでも教えてくれない内容だったりするので、こういうところで女性同士で話ができる環境は嬉しかった」と語る。

年齢や性別を問わず、多くの人と直接交流することで、深谷さんは次のステップに進む手ごたえを掴んでいた。

深谷阿津子さん:
今日やってみて、やっぱり色んな自分の健康の悩みとかを、それぞれ抱えているとわかった。そういうことを話す、会話できる場所が必要なんじゃないかなってあらためて思いました。そういうスペース、交流できる場所みたいな所を、いずれできれば作っていきたいなと思っています

働く女性の健康推進について、経産省が行った実態調査では、約5割が月経関連の症状などで職場で困った経験があると回答している。

また管理者の約3割が、女性特有の健康課題への対処に困っていることも分かった。

民間企業の調査では、生理痛などによる欠勤や労働効率の低下で、4900億円余りの損失が出ると試算されている。企業にとっても、社員の健康課題に向き合うことで、生産性や業績の向上に結びつくとも考えられる。

(福島テレビ)